大気社の新たな技術開発センターが神奈川県愛川町で稼働 自社省エネ技術でZEB取得:ZEB
大気社は、社会のニーズを先取りした新たな価値創造の拠点となる新技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」の運用を開始した。センターを構成する3棟のうち研究棟では、太陽光発電や採熱システムなどの自社技術を確立し、ZEB認証を取得した。
大気社は、2023年に着工した神奈川県愛甲郡愛川町の技術開発センター内「ADVANCED PLAZA(研究棟)」の完成に伴い、「SOLUTION LAB(生産技術棟)」「TECHNICAL LAB(音響棟)」と合わせた新技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」を2024年7月23日に稼働させた。
社会のニーズを先取りした新たな価値創造の拠点
大気社の研究施設としてのコンセプトを示すTAIKISHA INNOVATION SITE AIkawaのシンボルマークは、生き生きと飛び交う鳥をモチーフとし、多くの技術が育まれ羽ばたいていく場となることを表している。
従来大気社の技術開発センターは、設備や各種システムの検証などに利用されてきた。しかし、新たに顧客の抱える課題やソリューションを自社技術と融合することで、「協創によるイノベーション」を実現する施設に生まれ変わらせるべく、センター内の「研究棟」「生産技術棟」「音響棟」の改築を2019年から段階的に実施してきた。
新しいTAIKISHA INNOVATION SITE AIkawaは、ADVANCED PLAZA(研究棟)、SOLUTION LAB(生産技術棟)、TECHNICAL LAB(音響棟)の3棟から成る。研究棟は、人、技術、情報が出会い、集まり、協創することで、大気社の未来の技術が生まれる場所と位置付ける。生産技術棟は、リアルスケールで技術検証を行い、課題解決を探る。TECHNICAL LAB(音響棟)は、残響室やクリーンルームなどを備え、特殊環境で技術検証を行う。
3棟のうち、新たに完成したADVANCED PLAZA(研究棟)内には、顧客や学術研究機関、スタートアップ企業などとのオープンイノベーション創出を目的とした4つのコミュニケーションエリアを設けている。
そのうちの1つ、TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawaの顔となるバーチャルショールームは、技術紹介や発信機能を持つエリアで、さまざまな顧客に対応し、大気社のブランドイメージを構築することを目的としている。作業集中エリアは、IoTやAIの画像開発など、安定した作業環境で集中作業を行う場所。コワーキングエリアは、社内外の共同開発者が活発にコミュニケーションを交わし、シナジーを生み出すことを目指す。インキュベーションエリアは、協同研究を行う企業の秘匿性保護を考慮した実験スペース。
TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa内のADVANCED PLAZAは、建物の環境負荷低減を実現し、BELSの最高ランク星6ランクを獲得するとともに、ZEB水準の達成やCASBEEウェルネスオフィスの最高ランクとなる星5を取得している。採り入れている独自の省エネ技術は、電気と熱を利用する追尾集光式太陽光発電システム、発電素子冷却の廃熱を有効活用した採熱システム、熱の利用に適した温度に制御できる冷媒液ポンプシステムなどで、建物で消費するエネルギーを大幅に低減している。
また、TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawaの完成に先立ち、2023年4月には首都圏からの利便性が高い東京都新宿に、サテライト施設「TAIKISHA INNOVATION GATE Shinjuku」も開設。今後も大気社は、TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawaへのゲートとなるサテライト施設を国内外の各拠点に設置し、パートナーとの協創を加速していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 脱炭素:建物の脱炭素化をライフサイクル全体で支援、鹿島建設が「K-ZeX」開発
鹿島建設は、建物の脱炭素化をライフサイクル全体で総合的に支援するシステムを構築した。基本計画から運用まで、各段階におけるCO2排出量削減をより体系的に推進する。 - プロジェクト:新築オフィスビル「日本橋本町M-SQUARE」着工、三井不動産と鹿島建設が開発
三井不動産と鹿島建設は、東京都中央区日本橋で開発するオフィスビル「日本橋本町M-SQUARE」の新築工事に着工した。設計・施工は鹿島建設。2025年11月の竣工を予定している。 - プロジェクト:野村不動産とJR東日本の大規模複合開発「ブルーフロント芝浦」、2025年2月に1棟目が完成へ
野村不動産とJR東日本が東京芝浦エリアで進める大規模複合開発「芝浦プロジェクト」の街区名称が、「BLUE FRONT SHIBAURA」に決定した。両社は2025年2月にツインタワー1棟目のS棟の竣工を控え、プロジェクトの進捗状況について発表した。 - ZEB:大規模木造建築で『ZEB』認証取得、無印良品の2店舗で
2024年秋に佐賀県と大分県で開業を予定する無印良品初の大規模木造店舗の本体工事が完了し、『ZEB』認証を取得した。良品計画によると、床面積2000平方メートル以上の大規模建築を木造化し、『ZEB』認証を取得するのは国内で初めて。 - 産業動向:大和ハウスの非住宅再生ブランド「BIZ Livness」本格始動 2026年度に売上高4000億円
大和ハウス工業は、老朽化が進む非住宅分野のオフィスや工場、医療施設、商業施設などの再生需要に応えるべく、新たな事業ブランド「BIZ Livness」を本格始動させた。グループ内4社の総合力で、自社施工物件だけでなく、他社施工も含め、建て替えやリノベーション、買い取り再販、ZEB化などで、2026年度に売上高4000億円を目指す。 - 木造化/木質化:「木」でつくる住友林業の事業用建築ブランド「The Forest Barque」 目標は年間30億円
住友林業は、木造の事業用建築ブランド「The Forest Barque」を展開する。木質梁勝ちラーメン構法を用いた独自の「ビッグフレーム構法」を使用し、年間30億円の売上を目標に事務所や店舗、診療所へ提案していく。