大規模木造建築で『ZEB』認証取得、無印良品の2店舗で:ZEB(2/2 ページ)
2024年秋に佐賀県と大分県で開業を予定する無印良品初の大規模木造店舗の本体工事が完了し、『ZEB』認証を取得した。良品計画によると、床面積2000平方メートル以上の大規模建築を木造化し、『ZEB』認証を取得するのは国内で初めて。
ZEB物件は年々増加傾向も、木造は全体の10%程度
エヌ・シー・エヌは今回、2店舗の2店舗の省エネ化の意義と、大規模木造ZEBの普及を目的に、国内にあるZEB物件を対象とした実態調査を行った。
2016年4月から2024年3月までに4段階のZEB認証を取得した物件は全2407件で、そのうち木造は261件だった。ZEB物件の総数は年々増加傾向にあるが、構造別では、2023年度の累計で木造は全体の11%と、比率はまだ小さいことが分かった。
また、木造261件の内訳をZEBの段階別、規模別に分類したところ、床面積2000平方メートルを超える大規模建築でありながら、木造化かつZEB認証を取得した物件は3物件のみで、そのうち2物件は今回の無印良品店舗であることが判明した。
なお、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が公開している事例データ(2024年5月1日現在)によると、木造かつ床面積2000平方メートル以上でZEB評価を受けるのは、今回の2物件が国内では初めてとなる。
良品計画とMUJI HOUSEは2023年5月、農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結するなど、建築物の木造化を推進している。今回の2店舗でも合計723平方メートルの木材を活用し、外壁には地域材(佐賀県佐賀市、神崎市、大分県日田市)を利用した。両社は今後5年間、新たに建設予定の店舗(計1万平方メートルを目安)で国産材の積極的な活用による大規模店舗の木造化とZEB化を進めていく方針だ。
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