東京ドーム4個分の物流施設が神奈川に誕生 55台接車で“物流2024年問題”に対応:ロジスティクス
オリックス不動産のマルチテナント型物流施設が、神奈川県愛甲郡愛川町で完成した。延べ床面積は東京ドーム4個分に相当し、オリックス不動産の物流施設としては最大規模となる。
オリックス不動産は2024年5月24日、神奈川県愛甲郡愛川町で2022年8月に鹿島建設の設計・施工で着工したマルチテナント型物流施設「厚木IIIロジスティクスセンター」が完成したと公表した。延べ床面積は東京ドーム4個分に相当する18万1613.22平方メートル。竣工時点で既に5社と賃貸借契約を締結済みのため、契約率100%で稼働を開始する。
効率的な物流オペレーションで物流2024年問題を解消
建物は、RCS造地上6階建ての免震構造で、地震の揺れを大きくゆっくりと吸収する高性能な鉄の免震装置「球面すべり支承」を採用した。一般的に普及している積層ゴムを利用した免震装置は、積層ゴムにかかる荷重の大きさの違いや経年変化などによりねじれが発生するが、球面すべり支承は、地震発生時のねじれによる荷崩れのリスクを低減する。
物件は、圏央道「相模原愛川インターチェンジ(IC)」から約3.8キロの神奈川県内陸工業団地内に位置する。首都圏への配送だけでなく、圏央道を利用した北関東への配送や、東名高速自動車道、中央高速自動車道の利用による西日本への広域配送が見込める。2027年度には、新東名高速道路の全線開通が予定されているため、さらなる交通利便性の向上が期待される。
施設内は、各階に直接アクセスするダブルランプウェイを導入し、全ての階に55台が同時接車できるトラックバースを備える。最大2万6022.83平方メートルのワンフロア利用が可能で、効率的な物流オペレーションが実現する。荷待ちや荷役時間の短縮で、「2024年問題」の課題となっているトラックドライバーの時間外労働の削減につながる。
敷地内には、テナント企業の多様なニーズに応えるため、「危険物倉庫」を併設。化粧品やアルコール類など、一般倉庫では保管できない消防法上で指定数量以上の危険物を保管できる。
6階共用部には、無人コンビニを併設した昼食や休憩などに利用できる約240席の「カフェラウンジ」を設置し、一部の倉庫区画には空調を実装するなど、働きやすい環境を備えた。
省エネ設備は、屋根に第三者所有モデル(PPAモデル)で、2309.45キロワットの太陽光発電システムを設置し、発電した電力は施設内で利用する。夜間や天候の影響で、発電量が不足する場合でも、非化石証書付き(トラッキング付き)の電力を調達することで、入居テナント企業は使用電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力として利用できる。
創エネの取り組みやLED照明の導入などで、ZEB区分最高ランクの『ZEB』やCASBEE(新築)Aランクを取得した他、施設駐車場に電気自動車(EV)充電スタンド24基を配置するなど、積極的に環境配慮に取り組んでいる。
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