鹿島と東北大が「環境配慮型建材」の研究所を開設 CO2排出量を削減する新材料の開発促進:脱炭素
鹿島建設と東北大学は、インフラストラクチャの建設段階のCO2排出量削減を目的に、環境配慮型建設材料を開発する研究所を、宮城県仙台市の東北大キャンパス内に開設した。CO2の排出量低減や吸収/固定化材料の実用化に加え、環境配慮型建設材料の安定供給を目指す。
鹿島建設と東北大学は2024年4月1日、宮城県仙台市の東北大学青葉山東キャンパスに「鹿島×東北大学 環境配慮型建設材料 共創研究所」を開設し、インフラストラクチャの建設段階でのCO2排出量削減を図るプロジェクトを本格始動した。鹿島建設が持つ建設技術のノウハウと、東北大学の多種多様な研究データや技術を組み合わせ、CO2排出量低減や吸収/固定化を実現する新たな建設材料の開発を目指す。設置期間は、2024年4月1日から2027年3月31日までの4年間。
建設材料由来のCO2排出量削減に向けた共同開発を開始
鹿島建設は現在、CO2を吸収する材料を練り混ぜることで、コンクリート製造時のCO2排出量を実質ゼロ以下にする技術の開発や工事への導入を進めている。一方でカーボンニュートラル実現のためには、さらに多くの建設材料の製造工程でもCO2排出量削減を図る必要がある。
新設した共創研究所では、CO2排出量の削減効果が高い未利用副産物の利用に加え、CO2の吸収/固定化が可能な原材料の開発を進める。原材料に関する製造方法の検討や、実用化に向けた研究開発も行い、将来は環境配慮型建設材料の安定供給を目指す。
両者は、共創研究所を鹿島建設の東北大学内拠点と位置付けている。東北大学工学系の材料研究者との連携を通じて、建設材料以外の多様な分野も含めCO2排出量を削減する材料を開拓するとともに、社会実装の実現に向けて工学以外の研究者とも連携し、事業化のスキームを検討する。
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