2020年12月の新築戸建て住宅の動向を調査、首都圏では横浜と川崎を除き平均価格が上昇:調査レポート(2/2 ページ)
アットホームとアットホームラボは、新築戸建て住宅の価格動向を調査し、首都圏の新築戸建て住宅の平均価格が、2020年12月において、横浜市と川崎市以外のエリアで前年同月と比較して上昇したことを明らかにした。
横浜市と川崎市で3000万円台の物件が増加
横浜市と川崎市における新築戸建て住宅の平均価格は、4318万円で前月比0.4%増を記録した。一方、前年同月比は0.5%減となり、2カ月連続で下落幅は縮小したものの、22カ月連続の前年同月割れとなった。前年同月比で減少している原因の1つは、平均価格を下回る3000万円台の物件が占める割合が、前年同月比より3.2ポイント増えたことだ。
神奈川県他エリアにおける新築戸建て物件の平均価格は3791万円で、前月比0.2%プラスと8カ月連続でアップし、前年同月超えは4カ月連続となった。新築戸建て物件の平均価格が上昇し続けている理由の1つは、全体のうち2000万円台の低価格帯物件が占める割合が、前年同月より5.2 ポイント減ったことだと見られている。
さいたま市における新築戸建て住宅の平均価格は3824万円で、前月比横ばいとなり、前年同月比は3.9%増で、5カ月連続の前年同月超えとなった。要因は、2000万円台の低価格物件が占める割合が前年同月より5.3ポイント減少した一方、4000万円台が4.8ポイント増加したことだ。
埼玉県他エリアにおける新築戸建て物件の平均価格は3221万円で、前月比は横ばいとなり、4カ月連続で2017年1月以降の最高額を記録した。また前年同月超えは8カ月連続となった。
千葉県西部における新築戸建て住宅の平均価格は3529万円で、前月比0.7%減となり、7カ月ぶりに下落した。しかし、前年同月超えは11カ月連続となった。この伸長は、2000万円台の低価格帯物件が占める割合が前年同月より6.9ポイント減少した一方、4000万円台が4.9ポイント増加したことが主因となっている。
千葉県他エリアにおける新築戸建て物件の平均価格は2874万円で、前月比1.5%減と2カ月連続の下落となった。なお、前年同月比は4.1%増と上昇が続いており、前年同月超えは35カ月連続を記録した。
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