新型コロナの不動産業界への影響を調査、81%が集客減:産業動向(1/3 ページ)
クラスココンサルファームは、同社の不動産テックを利用する全国の不動産業4000店舗にアンケート調査を行い、新型コロナウイルス感染症への影響などを調べた。
クラスココンサルファームは2020年6月22日、オンラインで不動産会社向け事例発表会「TATSUJIN SWITCH ONLINE〜コロナショックを生き残るための全国4000店舗 成功スイッチ!!〜」を開催した。
当日は、クラスコグループ 常務取締役 清水秀晴氏が、同社の不動産テックを利用する不動産業4000店舗に行ったアンケート調査の結果で明らかになった新型コロナウイルス感染症の影響などを事例を交えて紹介した。
全体の76.5%が成約件数が減少
アンケート調査の結果によれば、全体のうち81%が物件の賃貸と仲介の業務に、新型コロナウイルス感染症の影響があった。集客は、全体のうち81%が前年に比べて減り、うち約40%が前年比10%減以下となり、約20%が前年比約30%減以下の値を示した。
成約件数は、全体のうち76.5%が前年と比較してダウンし、うち約40%が前年比10%減以下で、約20%が前年比約30%減以下。売上は、全体のうち約73%が前年と比べて減少し、うち約40%が前年比10%減以下で、約20%が前年比約20%減以下となった。
コロナ禍により、店舗の運営で生じた問題については、「飛び込み顧客の激減」「法人顧客の異動中止による契約のキャンセル」といった声がアンケート対象者から寄せられた。新型コロナウイルス感染症の対策では、全体の約70%が、「アクリル板とビニールシートを用いた飛沫(ひまつ)への対処」や「スタッフの検温と体調管理」を行っていることが判明し、「(従業員への)マスクの配布や消毒液の設置」は全体のうち10%以下にとどまった。
「顧客を対象にした新型コロナウイルス対策の事例では、某不動産会社が物件の紹介と契約をWeb上と対面の2つから選べるえるようにし、利用者を増やした。某不動産会社では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、Web上だけで、物件の案内と契約を進めていたが、ユーザーから部屋探しを軽んじていると指摘され、対面でもサービスを提供し、顧客満足度を高めた」(清水氏)。
ある不動産会社では、新型コロナウイルス感染症に考慮し、パート従業員の勤務体制をテレワークに切り替えたことで、パート従業員は、電話やメールへの対応が無くなり、担当する業務に集中できるようになり、パフォーマンスが上がった。
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