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被災した病院の医療機能を迅速に復旧するBAS、アズビルHOSPEX Japan 2020

アズビルは、病院などの施設が、地震などの自然災害で被災しても、ビルオートメーションシステム(BAS)を活用し、早急に医療機能を復旧するシステム「自然災害時のBCPソリューション」を開発した。

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 アズビルは、医療・福祉施設向け設備・機器の総合展示会「HOSPEX Japan 2020」(会期:2020年11月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展し、「自然災害時のBCPソリューション」や「パンデミック対応空調ソリューション」、研究施設向け風量・室圧制御用ベンチュリーバルブ「Infilex VN」をPRした。

4段階で医療機能を復旧

 自然災害時のBCPソリューションは、ビルオートメーションシステム(BAS)を活用して、病院のBCP(事業継続計画)をサポートするもので、平時は病院内に設置された設備の安定的な省エネルギー稼働を促進し、有事は被災状況の把握と備蓄燃料の有効活用を実現して、医療の継続を後押しする。


自然災害時のBCPソリューションで病院内の設備を一元管理する中央監視システム

 具体的には、BASが、予防対策フェーズ、緊急対策フェーズ、継続対策フェーズ、復旧対策フェーズの4段階で、医療の継続をサポートし、平時を対象にした予防対策フェーズでは、設備の安定的な省エネ稼働を促す。発災直後の緊急対策フェーズでは、重要設備の被害状況を可視化し、水や油などの残量をモニタリングして、在場者の安否も見える化する。


緊急対策フェーズにおける重要設備の被害状況の可視化イメージ

 事業の続行を支援する継続対策フェーズでは、自家発電機で重要設備を優先的に起動させ、備蓄燃料を有効活用して、空調機器を節電運転し、院内の感染対策を図る。復旧対策フェーズでは設備が発信している警報が停止しているかを見える化する。


自家発電機が稼働時の空調節電運転

 アズビルの担当者は、「病院は、自然災害が発生した場合、一時的に医療の需要が増え、被災していても、平時より多くの医療機能が求められる。東日本大震災が起きた際は、宮城県石巻市の石巻赤十字病院に、通常時と比較して20倍の患者が搬送されたという。被災した病院が、受け入れる患者の人数増加に対処するためには、迅速な復旧が不可欠で、BCPソリューションはその一助になる」と説明した。


病院向けパンデミック対応空調システムのイメージ

 パンデミック対応空調ソリューションは、感染症患者を受け入れる体制の構築と医療スタッフや入院・外来患者の空気感染対策を両立する空調システムで、Infilex VNを用いて、一般病床の室内を等圧から陰圧に切り替え、臨時の感染症隔離病床に変更する。また、換気回数を増やせるため、室内のウイルスを希釈し、空気感染のリスクを減らすのにも役立つ。

 「Infilex VNは、気流の方向と流入風量を一定に保つため、空気の方向が変わるのを防ぎ、室内の陰圧を維持する。さらに、扉の開閉による室内圧力の変動に影響を受けず、室圧のバランスを安定させる」(アズビルの担当者)。


風量・室圧制御用ベンチュリーバルブ「Infilex VN」

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