戸田建設が“新型コロナ”の院内感染を防ぐ「ゾーニング検討」を無償提供:業界動向
戸田建設は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、逼迫(ひっぱく)する医療体制を支援すべく、病院での感染症対策の際に必要となる動線計画など「ゾーニング検討」の無償提供を開始した。
戸田建設は2020年4月20日、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、医療機関での感染症対策を実現する「ゾーニング検討」の無償提供を開始したと明らかにした。
上限を設けず可能な限り無償提供
厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大によって、約8000病院の医療体制を毎日把握するシステムを構築し、病床や医療機器、医師、看護師の情報を一元的に管理して各自治体に提供するとしている。医療情報の一元化で、患者受け入れ対応の迅速化を図り、医療崩壊を招くのを防ぐとの趣旨で2020年4月中に試行し、同年5月からの本格稼働を予定している。
戸田建設では、急速に広がりつつある新型コロナウイルス感染症対策に何か貢献できることがないかを考え、病院建築に数多く携わってきた経験から、病院向け「ゾーニング検討」を同年4月15日より無償で提供を始めた。
ゾーニング検討は、新型コロナウイルス感染症の陽性患者を受け入れるときに、他の患者・医療従事者・物品などの動線や汚染範囲を想定して、区画の制限や洗浄・消毒エリアの決定、空調といった院内感染を確実に防ぐ施設利用プランを立案する。
対象となる医療施設は、院内で専門的な検討が困難な病院で、当初は先着100病院を上限としていたが、可能な限り大型連休中も応じるとして、上限を撤廃している。
なお、病院側はゾーニング検討にあたり、出入口階平面図、病室階平面図、病室階空調設備図などを用意する必要がある。
ゾーニング検討の申し込み先:戸田建設 本社医療福祉部
Email:motomi.kanbe@toda.co.jp
受付時間:月曜日から金曜日の平日9:00〜17:00
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ゼネコン各社の“新型コロナ対応策”・清水・大林・鹿島ら現場を大型連休後まで原則閉所、竹中も方針表明
清水建設が政府の緊急事態宣言で対象地域が拡大された影響を受け、13都道府県の建設現場を宣言終了まで閉所することを決めた。この動きに呼応する形で、スーパーゼネコン3社をはじめ、建設業各社でも、現場を閉じる対策が拡大している。 - 建設現場での“コロナウイルス”対応法を発表、国交省
新型コロナウイルス感染症の影響が建設業界にも広がっている。国土交通省は千葉県や熊本県内の施工現場で、感染者が作業していたことを受け、自治体と業界団体などに向けて新たな対応方法を示し、対策を講じるように要望した。 - 新型コロナで、建設業界に“テレワーク”は根付くか?ヒューマン総研が独自調査
ヒューマンタッチ総研は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大を受け、国内の建設業でも普及が進むテレワークについて、独自に調査した結果をまとめた。 - 建設会社や行政が新型コロナウイルスへの対策を発表、テレワークや消毒液設置などを推奨
国内外で猛威をふるう新型コロナウイルスが建設業界にも影響を及ぼしている。現状での大手建設会社や自治体の関連部署が発表した新型コロナウイルスへの対応策をまとめた。