Vポート建設で不可欠な下降気流の計測、東陽テクニカらが実証でデータ取得:ドローン
東陽テクニカなど3社は、空飛ぶクルマの離着陸時に発生する下降気流(ダウンウォッシュ)の計測技術実証を共同で実施した。SkyDriveの実機を用い、バーティポート(Vポート)の建設や都市部での安全運航に不可欠な風のデータを取得した。
東陽テクニカ、ながれ技術研究所、ストラト・ビジョンの3社は2026年9月28日、「空飛ぶクルマ(eVTOL)」の離着陸時に発生するダウンウォッシュ(下降気流)の計測技術実証を2026年8月に共同で実施したと発表した。
SkyDriveが開発を進める空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05型)」の実機を使用し、空飛ぶクルマの離着陸拠点となる「バーティポート(Vポート)」の建設や都市部での安全な運航に欠かせない風のデータを取得した。
空飛ぶクルマの社会実装に風の計測技術で支援
空飛ぶクルマの実現に向け、国内外で機体開発やデモフライトが進む中、社会実装を見据えたVポートの設置検討が本格化している。都市部のビル屋上などにVポートを建設する場合、離着陸時にローターが生み出す強い下降気流が周囲の建造物に与える影響を正確に把握することが不可欠となる。
さらに、下降気流がビルの壁面に当たって跳ね返り、機体の挙動に影響を及ぼす可能性もあるため、安全な運航ルートの策定やVポートの構造設計で風のデータは極めて重要となる。しかし、これまでは実機を用いた計測データがほとんど存在せず、シミュレーションによる評価に頼らざるを得ない状況が続いていた。
今回の実証では、ながれ技術研究所の監修のもと、ストラト・ビジョンが開発と販売する超音波風速計を採用した。離着陸エリアの安全区域外に超音波風速計を4点設置し、実機が離着陸する際に発生する下降気流の風速や風向きを計測した。
使用した超音波風速計は、風洞試験によって高い計測精度が実証されているだけでなく、外部機器との有線や無線による接続を必要とせず、単体での計測と記録が可能だ。その特長を生かし、飛行試験そのものへの影響を最小限に抑えながら、貴重な実機データの収集に成功した。
今後は、東陽テクニカが実証結果の詳細な分析を進め、計測データを可視化する専用ソフトウェアの開発も視野に入れる。東陽テクニカはこれまでにも、SkyDriveとのサポーター契約に基づき、電動推進システム評価ベンチ(アイアンバード)の構築や耐久風洞設備の整備、全機試験の人的支援など、多角的なサポートを提供してきた。都市の新たなインフラとなるVポートの建設要件を確立するため、今後も計測技術の側面から空飛ぶクルマの安全な社会実装を力強く支援していく。
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