鹿島が万博の大屋根リングで木造タワー建設 「KAJIMA TREE」模型を初公開:大阪・関西万博
鹿島建設は、「非住宅 木造建築フェア2026」で、木造タワー「KAJIMA TREE」の100分の1模型を初公開した。大阪・関西万博の大屋根リングの木材を再利用し、独自の「組木制震システム」を採用している。
鹿島建設は、「非住宅 木造建築フェア2026」(会期:2026年5月13〜15日、東京ビッグサイト)に出展し、木造建築の新たな可能性を示すプロジェクト「KAJIMA TREE」の100分の1の模型を初公開した。
KAJIMA TREEは、2027年3月に横浜で開催する「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」に出展予定の建築物だ。日本の伝統建築の美しさと鹿島の最先端技術を融合させ、木材の温もりを生かしながら自然と人が調和する未来の都市風景を提案する。
大阪・関西万博の「大屋根リング」を構造材として再利用
KAJIMA TREEの構造材には、大阪・関西万博のシンボルだった「大屋根リング」の木材を再利用する。解体された大屋根リングの木材は現在、群馬県館林市で保管されており、強度試験や補修技術を経て、本プロジェクトの構造材として新たな命を吹き込まれる。資源循環や脱炭素、自然再興を掲げる「鹿島環境ビジョン2050plus」の理念を具現化する試みでもある。
木造の塔状建物は、風や地震による横からの力で建物全体が曲がるように変形しやすい。そこで鹿島が長年培ってきた制震技術を応用して開発したのが、複数の木材を鋼製のダンパで組み合わせ、しなやかにエネルギーを吸収する「組木制震システム」だ。
制震システムは、柱と柱の間に設置する「柱間制震ダンパ」と、建物の四隅にある柱の集合体(コア)間を連結する梁(はり)に取り付ける「境界梁制震ダンパ」で構成。柱間制震ダンパは、2028年度完成予定の「東北支店ビル」で採用する「欄間制震システム」を縦方向に応用したものとなる。
ダンパを最適に配置することで、一つひとつの木部材が一体となって風や地震などの大きな外力に抵抗し、木造建築の安全性を大幅に向上させる。
展示会場では、ダンパを組み合わせた構造の仕組みも模型で確認できる。また、建築設計本部 技師長で、木推進グループ グループリーダーの和田淳氏は、「KAJIMA TREEのデザインには、自然と人が調和する未来を描くコンセプトが込められている。木材の組み合わせや配置により、自然の生命力を感じさせる構造美を実現した。模型を通じて、持続可能な都市づくりへの貢献を感じていただければ」とコメントを寄せる。
ブースでは「KAJIMA TREE」の他にも、「鹿島の木造」を構成する技術やノウハウを多角的に展示。新たな木造フラグシップビルと位置付ける東北支店ビルのプロジェクトを中心に、「制震」「快適(木のある暮らし)」「社有林(持続可能な森林の循環)」という3つのテーマで解説している。
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