移動式3DプリンタでRC曲線壁をオンサイト/オフサイト施工 大成建設技術研究所に設置:デジタルファブリケーション
大成建設は、移動式3Dプリンティング技術を用いて、埼玉県の研究施設内にRC製の曲線壁をオンサイト/オフサイト方式で施工した。
大成建設は2026年1月16日、埼玉県幸手市の「大成建設グループ次世代技術研究所」内「憩いスペース」に、移動式3Dプリンティング技術を用いてベンチやプランターとして機能する2種類のRC製曲線壁(3DP壁)をオンサイト/オフサイトプリント方式で施工したと発表した。
現場に3Dプリンタを設置し、造形物を直接構築するオンサイトプリント方式では、レール上を走行するロボットアーム型3Dプリンタで2.2(高さ)×8.5(延長)メートルの3DP埋設型枠を施工した。XYZ軸に同時に動くノズルにより、斜面や曲面に沿ってプリントすることで、隆起した地層のような立体的なデザインを可能とした。従来1カ月以上を要していた型枠製作が約16時間で完了。レールを延伸すれば長尺部材の施工にも対応できる。また、工夫した内部支保工の適用により、外部支保工の省略を実現した。
さらに、高精度な位置推定による設置時間の短縮を実現。カメラとマーカを使用したロボット座標の補正により、プリンタの設置と動作確認を1日以内で完了し、型枠の製作位置精度は数ミリレベルを実現した。
工場の3Dプリンタで造形物を製造し、現場に運搬して架設するオフサイト方式では、2.0(高さ)×7.0(延長)メートルの3DP壁を施工。通風/採光機能を確保した多孔質の凹凸形状とシンボリックな三角形の開口部により、憩いの場に開放感をもたらす意匠とした。
3DP壁は、4分割した各部材をコの字型に突き合わせて接合。横方向からの鉄筋組みや内部支保工の設置が容易となり、型枠の組立作業が約2.5時間で完了した。また、CO2排出量収支マイナスの環境配慮型材料を用いて製作している。
大成建設は今後、現場実証の効果を検証し、3DP埋設型枠の設計・施工バリエーションの拡充と実用化を推進する。3Dプリンタの特性を生かした施工計画の立案や適用を通じて、生産性向上とCO2排出量削減を目指す。
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