共用/専用宅配ロッカーをクラウド連携、最適な配達先を案内 「パークコート北青山」に初導入:FM
三井不動産レジデンシャル、フルタイムシステム、PacPortは、共用宅配ロッカーと各住戸玄関前の居住者専用宅配ロッカーをクラウド連携し、宅配事業者に対し、最適な配達先を自動で案内する新システムを開発した。
三井不動産レジデンシャルは2025年10月20日、フルタイムシステム、PacPortと共同で、宅配事業者に対し最適な配達先を自動で案内するDXロッカーシステムを開発し、新築分譲マンション「パークコート北青山」へ初導入したと発表した。
新システムは、マンション1階の共用宅配ロッカーと各住戸玄関前に設置された居住者専用宅配ロッカーをクラウド連携し、一元管理する。双方の空き状況をリアルタイムに把握し、宅配事業者が共用ロッカーを操作した際、住戸前宅配ロッカーに空きがあればそちらへの配達を自動で案内する。
三井不動産レジデンシャルはこれまで、PacPortが提供するスマート宅配ソリューション「Pabbit」を順次導入してきた。これは配達中の荷物を持った宅配事業者が、入居者の不在時でも、伝票番号や荷物情報などによりオートロックを解錠し、住戸前ロッカーへ荷物を届けられる仕組みだ。
しかし住戸前ロッカーが設置されていても、共用ロッカーに配達されるケースがあり、居住者の利便性低下や再配達の発生が課題となっていた。新システム導入により、住戸前ロッカーの効率的な利用が促され、物流業界が直面する人手不足や環境負荷の軽減にもつながる。
システムはクラウド連携を前提に設計されており、物件構造や既存設備に応じた柔軟な導入が可能。三井不動産レジデンシャルは今後、導入効果を検証しながら、自社が開発する新築分譲マンションへ順次展開してく。
「パークコート北青山」で運用
システム導入先のパークコート北青山は、東京都港区に位置するRC造、地上10階建て、総戸数28戸の分譲マンション。東京メトロ銀座線「外苑前」駅から徒歩5分、「表参道」駅から徒歩10分での立地で、2025年5月に竣工した。設計・施工は村本建設が担当している。
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