宅配便の荷物番号から、オートロックの解錠キーを生成 マンションへの「置き配」促進:再配達の抑制で「物流の2024年問題」に貢献
ビットキーとパナソニック エレクトリックワークス社は、宅配便の荷物番号をもとに生成した独自の「組み合わせ番号」を利用して、マンションのオートロックを解錠できる機能を提供する。
ビットキーとパナソニック エレクトリックワークス社は2023年11月7日、宅配便の荷物番号(伝票番号)をもとに生成した「組み合わせ番号」を利用してマンションのオートロックを解錠できる新機能を発表した。同月より分譲マンション向けに提案を開始し、2024年4月から提供する。
独自の「組み合わせ番号」でオートロックを解錠
新機能は、居住者の利便性向上や再配達の抑制に向けてマンションへの「置き配」を促進する目的で開発した。パナソニックの集合マンション向けインターフォンと、ビットキーが提供する住宅向けプラットフォーム「homehub」を連携して利用する。
組み合わせ番号を活用した置き配の方法は次のとおりだ。
まず、居住者がhomehubアプリをダウンロードし、荷物の配達予定を知らせるメールサービスと連携する。配達予定を通知するメールが届くと、ビットキーのシステムが組み合わせ番号を生成。この組み合わせ番号を配達員がインターフォンに入力すると、ビットキーのシステムと照合してドアが開く仕組みだ。
配達員は居住者が不在の場合でも、専有部の玄関前まで荷物を配達できるようになる。
オートロックの安全性を損なわずに利用者の利便性を確保
現在、オートロック物件の再配達防止策には、宅配業者へ物理鍵を貸与したり、荷物番号を鍵にオートロックを解錠したりする手法が存在する。物理鍵には紛失のリスクが、伝票やメールなどに記載される荷物番号には流出のリスクがあり、置き配対応によるセキュリティの低下も懸念されていた。
今回発表した新機能では解錠にオリジナルの番号を使用するため、オートロックの安全性を損なわずに居住者の利便性を確保できるという。また、組み合わせ番号は、宅配業者ごとや一定の期間ごとに組み合わせのルールを変更させるなどして、より安全性を高められるようにした。
物件への専用端末などの追加設置や工事は不要で、エントランスの美観や意匠を損なわずに導入できる。新築だけでなく既築のマンションにも設置可能。宅配業者にとっても、スマホアプリや配送管理システムの開発、改修の必要がなく、コストを抑えて導入できるメリットがあるという。
ビットキー「マンションの置き配促進で社会課題解決に寄与」
ビットキー アライアンス本部 マネージャー 胡桃澤圭佑氏は、新機能開発の背景について「宅配便の取り扱い個数が年々増加する一方、物流の2024年問題で人手不足による配送遅延が懸念されるなど、再配達の削減は大きな社会課題となっている」と説明。
「(コストなどの)導入のハードルを下げたうえでセキュリティ性を担保できる新機能により、これまでなかなか進まなかったマンションへの置き配を促進し、社会課題の解決に寄与できれば」と述べた。
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