マンション自宅から“メルカリ”発送が可能に 三菱商事のアプリがIoT宅配BOXやインターフォンと連携:産業動向(1/2 ページ)
三菱商事のQRコードで宅配ボックスから商品の発送や受け取りができる「Smariサービス」の新サービスで、全国のマンション自宅前に設置した専用ボックスから「メルカリ」で売れた商品を送れるようになった。パナソニック製インターフォンとも連携し、配達員がワンタイムパスワードでオートロックを解除して荷物を回収するため、再集荷の2度手間が解消される。
パナソニックグループと三菱商事、メルカリ、ヤマト運輸は、QRコードと宅配ボックスで発送や受け取りを可能にする「Smari(スマリ)サービス」で、2024年9月2日からフリマアプリ「メルカリ」の商品発送ができる新サービスを開始した。専用宅配ボックス「e-COMBO LIGHT(イーコンボ ライト)」とマンションインターフォン「Clouge(クラウジュ)」との連携で、宅配業者がマンションのオートロックを解錠して集荷するため、自宅に居ながらの商品発送が実現する。
伝票レス、非対面、運搬不要のメルカリ発送が実現
Smariサービスは、スマートフォンアプリとアプリが立ち上がるQRコードを貼り付けた宅配ボックスの活用により、非対面でEC商品の発送や返品、レンタル/サブスクなどの返却、修理や補修のための送付ができる三菱商事のサービス。
2019年4月のサービスインから現在までにローソン3000店舗と京王電鉄14駅に導入され、2023年4月にはマンションや戸建て用のボックス「e-COMBO LIGHTスマリ対応タイプ」を発売。併せて同月21日には首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)でZOZOやQVC、Yahoo!フリマ、楽天ラクマ、セレクトショップのBEMSなど約20社と提携し、戸建てでの発送と集荷、マンションでの発送をスタート。今回リリースの2024年9月2日からは、メルカリのらくらくメルカリ便に限り、全国対応した。
パナソニックと三菱商事が協業した背景には、コロナ禍での非接触や非対面の取り引きとサービスが増えたEC市場の変化に加え、地方の過疎化や実店舗の減少に伴う「買い物難民」の顕在化による宅配需要の増加がある。さまざまな商品で宅配の普及が進む中、住民不在の“再配達”が、配達員やドライバーの不足、2024年問題の残業規制といった社会問題をより深刻化させている。特にEC荷物の配送先で約60%がオートロック付マンションと言われており、いかにしてオートロックを解除してスムーズに配達できるかが再配達を解消する鍵とされている。
パナソニックでは先行して“置き配”の再配達を解消すべく、ビットキーとの協業で2024年4月1日に各戸前宅配サービス「ドアマエ配達」の提供を開始。ドアマエ配達は、マンション居住者が発注時に置き配を指定しておくと、宅配業者が問い合わせ番号でオートロックを解除し、各戸前に配達する仕組み。
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