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生成AIが現場写真から熱中症など危険を予測、長谷工が首都圏129現場に導入:AI
長谷工コーポレーションは、生成AIを用いて建設現場の危険予測を支援するシステム「Kizuki AI」の運用を開始した。工種や作業内容、現場写真などを入力して、現場写真をアップすると、AIが熱中症などのリスクや対策を即時に提示する。今後は、全エリアの建設現場に導入を順次拡大する。
長谷工コーポレーションは2025年9月9日、生成AIを用いて建設現場の危険予測を支援するシステム「Kizuki AI(キヅキ アイ)」を開発し、運用開始したと発表した。2025年8月時点で首都圏の全129現場に導入済み。今後は近畿圏や東海圏を含め、全国の現場へと順次拡大する予定としている。
オープンソースのAI開発プラットフォーム「Dify」上で開発
Kizuki AIは、PCやスマートフォン上で工種や作業内容、気温、天候を入力し、現場写真をアップロードするだけで、AIが熱中症や足場の不安定性といったリスクとその対策を即時に提示する。オープンソースのAI開発基盤「Dify」上にシステムを構築した。
施工管理者は、経験に依存せずにリスクを的確に把握できるため、危険の見落としを防げる。若手管理者が自身でリストアップしたリスクとシステムが独自に抽出したリスクを比較することで、若手管理者が新たな気づきを得る事例も見られたという。
開発に当たっては、過去の災害事例をもとにプロンプト調整を重ねる試行段階を経て、AIのリスク検出精度を高めた。発表時点でも、首都圏の現場で精度向上に向けた実証を継続中だ。順次他エリアにも展開し、安全技術力の底上げや時間外労働制限などへの対応を図る。
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