言語指示による自動設計目指し、長谷工がLLM-AIの開発に着手:BIM
長谷工コーポレーションと建築設計業務のAIソリューションを開発するテクトムは、言語指示による自動設計の実現を目指す新たなLLM-AIシステムの研究開発に着手した。設計者のデータ入力と図面チェックにかかる時間の50%削減を目指す。
長谷工コーポレーションは2024年7月31日、建築設計業務のAIソリューションを開発するテクトムと共同で、言語指示による自動設計の実現を目指す新たなLLM(大規模言語モデル)-AIシステムの研究開発に着手したと発表した。
新たなLLM-AIシステムは、マンションに特化した独自の「長谷工版BIM」と、テクトムの建築設計AIプラットフォーム「Tektome」を組み合わせて開発する。第1段階として2024年中には、AIによる自動変換を活用して、Tektome上に長谷工版BIMが保有するデータとBIM外に保有する各種データを統合したデータベースを構築。蓄積データの検索や外部データへの連携基盤を可能とする。
設計者のデータ入力と図面チェックにかかる時間を半減へ
システムの研究開発は段階的に進める。第1段階の長谷工版BIM統合データベース構築に続き、第2段階では設計仕様データを利用した品質チェック機能を構築する。第3段階では言語指示による自動設計機能の構築に取り組み、設計者のデータ入力と図面チェックにかかる時間の50%削減を目指す。
Tektomeは、建築設計に関するさまざまな非構造化データから構造化データを構築するAIプラットフォーム。設計者は日本語のプロンプト指示により、従来のシステムよりも簡単かつ正確に、建築設計に関する構造化データベースを構築できる。
長谷工コーポレーションは、2020年度には設計段階、2021年度には施工段階で、長谷工版BIMの導入体制を確立している。設計情報の一元管理による品質と生産性の向上、3Dで設計情報を可視化することによる意思決定の迅速化、各種図面や積算、シミュレーションなどの連動による多角的な設計を実現している。
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