ZEB Ready取得の19階建て賃貸オフィスビル「芝御成門タワー」が新橋に完成、鹿島建設:プロジェクト
鹿島建設は、ZEB Readyを取得した地上19階建ての賃貸オフィスビル「芝御成門タワー」を竣工した。
鹿島建設は2025年8月28日、「ZEB Ready」認証を取得した自社開発の賃貸オフィスビル「芝御成門タワー」が竣工したと発表した。
芝御成門タワーは、東京都港区新橋に立地する地上19階、地下2階、塔屋2階建てのオフィスビルで、鹿島建設が企画、設計・施工を一貫して担った。延べ床面積は約2万4436平方メートル。2025年7月31日に竣工した。
都営三田線「御成門」駅から徒歩2分の立地に加え、東京メトロ日比谷線「神谷町」駅、都営大江戸線「大門」駅、JR線/都営浅草線などの「新橋」駅からも徒歩10分程度に位置し、複数路線が利用可能。
1階はエントランス、店舗、駐車場で、2〜3階にはやる気スイッチグループが運営するバイリンガル幼児園「Kids Duo International(KDI)アカデメイア御成門」が入居予定。4〜19階は賃貸オフィスで、貸室総面積は約1万7335平方メートル。
建物デザインは、東京タワーや増上寺、芝公園など周辺の景観と調和したシンプルな外観とし、オープンスペースには植栽やストリートファニチャーを配置。低層部の夜間照明はヒューマンスケールの安らぎのある空間を演出する。
芝御成門タワーは、建物全体で年間の一次エネルギー消費量を50%以上削減するBELS認証のZEB Readyを取得。高性能Low-E複層ガラスや高効率空調、LED照明、自動調光センサーなどの設備により、省エネ性能を確保している、また、生物多様性への配慮として、緑化や地域の自然との連続性が評価され、JHEP認証のAランクを取得した。
さらに、ダンパー圧縮時に柱の変形を抑制し、安定した振動エネルギーの吸収が期待できる「座屈拘束ブレース」を採用した制振構造とし、災害時の揺れ幅軽減と復旧時間の揺れが収まるまでの時間短縮を図る。停電発生に備え、2回線受電システムと72時間対応の非常用発電設備を備え、テナントのBCP対策にも配慮している。
オフィスフロアの基準階貸室面積は約968平方メートル、天井高2800ミリ、グリッドシステム天井と100ミリのOAフロアを採用。柱の少ない構造で自由度の高いレイアウト変更が可能となり、2分割が可能可能な設計。空調はゾーン単位での個別制御が可能な加湿機能付きシステムで、快適性と省エネを両立している。
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