ゲリラ雷雨のピークは8月中旬、リスクや対策をウェザーニュースのAIが回答する新機能:災害対策
ウェザーニューズは、気象情報サービス「ウェザーニュース」のAIチャット機能「お天気エージェント」に、ゲリラ雷雨の予測情報を追加した。「今日のゲリラ雷雨リスクは?」「イベントは実施できる?」とAIに聞くと、高精度な気象情報を基に自然言語で即座に回答。ユーザーは、急な雷雨への事前対策や行動判断が可能になる。
ウェザーニューズは2025年7月22日、気象情報サービス「ウェザーニュース」のAIチャット機能「お天気エージェント」で、ゲリラ雷雨の予測情報の提供を開始したと発表した。
2025年の発生回数は7.8万回、8月中旬がピークと予測
ウェザーニューズは2025年の7〜9月にゲリラ雷雨が全国で7万8000回発生し、特に8月中旬が発生のピークと予測している(※ウェザーニューズ「ゲリラ雷雨発生傾向2025」)。花火大会など屋外のイベント開催が多い時期と重なるため、急な雷雨への対策が求められる。
新機能では、「今日のゲリラ雷雨のリスクは?」「屋外イベントは中止すべきか?」といった質問に対し、AIが発生リスクに応じた具体的な対策案を合わせて回答するため、事前の対策や行動判断に役立てられる。
お天気エージェントは生成AIを用い、ユーザーからの質問に対して、高精度な気象データを基に自然言語で回答するチャット機能。疑問の解消だけでなく、行動判断に必要な対策情報も得られる。屋外イベント時の急な雷雨や落雷、交通機関の乱れへの備えとしての活用が想定される。
ゲリラ雷雨の予測情報は、独自のゲリラ雷雨リスク予測ロジックを採用。地上や上空の気温、湿度、不安定度などのデータを解析し、ゲリラ雷雨の発生リスクを算出する。アプリユーザーから寄せられるリアルタイム報告も取り込み、予測の補正に活用している。
ウェザーニューズは他の取り組みとして、全国2500台の小型ライブカメラ「ソラカメ」にAI判定機能を導入。雲の色や明るさを解析し、「危険」「要注意」「低リスク」の3段階で積乱雲の危険度を判定し、ゲリラ雷雨の原因となる雲の発達を早期に検知している。
また、お天気アプリ「ウェザーニュース」では、「ゲリラ雷雨アラーム」「ゲリラ雷雨レーダー」といった特化機能を備える。雨雲レーダーでは、5分間隔で250メートル四方の雨雲の動きを表示し、「どのくらい雨が強まるのか」「雨が弱まるのはいつか」が詳しく分かる。落雷レーダーは、ゲリラ雷雨の際に心配な落雷を3時間先まで予測する。
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