埼玉県三郷で延べ4.6万m2「TC型物流施設」着工 設計・施工は錢高組で2026年10月完成:ロジスティクス
三井不動産は埼玉県三郷市で、トラックで入荷した商品をその場で仕分け、そのまま出荷する“TC型”物流施設の新築工事に着工した。S造地上4階建てのスロープ方式の施設で、設計は錢高組、施工は錢高・川口土建JVが担当し、2026年10月末の完成を予定している。
三井不動産は埼玉県三郷市で「三井不動産ロジスティクスパーク三郷(以下、MFLP三郷)」の起工式を2025年3月28日に執り行い、4月1日に着工した。
地上4階建てのスロープ方式を採用、TC型に対応するトラック待機場も整備
MFLP三郷の施設規模は敷地面積約2万405平方メートルで、総延べ床面積は約4万6820平方メートル、地上4階建てのスロープ方式を採用している。ワンフロアの面積を最大約1万1300平方メートルとし、最大4区画まで分割でき、梁(はり)下有効天井高5.5メートル、床の積載荷重1.5トン/平方メートルを確保した汎用性の高い大型倉庫。45フィートコンテナ車両などの大型車両にも対応するトラックバース、トラックで入荷した商品をその場で仕分け、そのまま出荷するTC(Transfer Center)型物流施設に必須なトラック待機場も備える。
また、近年の倉庫内自動化に対応すべく、電気容量は1平方メートルあたり30ボルトアンペアを確保。テナント企業の空調やマテハンの導入など柔軟に対応ができる最新の倉庫環境を整備する。
計画地は、外環自動車道と都心をつなぐ常磐自動車道の結節点となる三郷エリアで、三郷市で進められている三郷北部土地区画整理事業地内にあたる。外環自動車道「外環三郷西IC」から約2キロとインターチェンジに近接し、東京都内と関東近郊を結ぶ広域物流拠点となり、都内配送のみならず関東一円の広域配送にも適している。
最寄りのバス停からも徒歩3分でアクセス可能で、従業員駐車場を約130台用意し、従業員の通勤利便性も高く、遠方からの雇用確保も見込める。
施設内は施設従業員の働きやすさ向上のため、快適にリフレッシュができるラウンジの設置やWi-Fiの提供、24時間対応する無人コンビニの設置を予定している。
屋上の屋根全面には太陽光パネルを設置し、再エネ電力供給や屋内照明のLED化で省エネを推進。DBJ Green Building認証や最高ランクの『ZEB』認証の取得も計画している。
災害対策では、最大規模の降雨量による近隣4河川(利根川、江戸川、中川/綾瀬川、荒川)の氾らんに備えて対策を講じる。屋上の屋根を折半屋根ではなく一部陸屋根化し、キュービクルなど主要な電気設備を屋上に配置。防災センター内の設備や外構に設置する受水槽は架台による嵩上げを実施し、浸水リスクに備える。非常用発電は72時間供給とし、有事の際の入居テナントの事業継続をサポートする。
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