都内分譲マンションでロボットポーターが本格稼働 配送経路計6.6キロを自動走行:ロボット
三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが開発した東京都港区の分譲マンションで、マンション向けロボットポーターサービスの本格運用がスタートした。
三井不動産レジデンシャルは2025年7月7日、三菱地所レジデンスと共同開発した東京都港区の分譲マンション「三田ガーデンヒルズ」で、ロボットによるマンション向けポーターサービスの本格稼働を開始したと発表した。荷物運搬用のロボットを導入することで、大規模でセキュリティ性の高い住空間での配送業務の負担軽減を実現する。
配送経路距離の合計は約6.6キロで、発表によれば、マンション向けのロボットポーターサービスとしては国内最大規模となる。
今回の取り組みは2社と川崎重工業、大成建設の4社によるもの。4社は2025年3月、大成建設のロボット統合管制プラットフォーム「RoboHUB(ロボハブ)」と、川崎重工業のロボットポーターサービス「FORRO PORTER(フォーロ ポーター)」を三田ガーデンヒルズに試験導入し、荷物運搬作業の業務での活用を開始した。約3カ月間の試験導入中のリピート利用率は50%以上で、ポーターサービス利用のうち20%超がロボットによる配送だったという。
三田ガーデンヒルズは敷地面積約2万5000平方メートル、地下2階地上14階建て、総戸数1002戸の大規模レジデンス。設計/施工は大成建設が担当した。敷地中央の中庭を囲むように複数の住居棟が配置され、各棟はセキュリティゲートにある共用廊下でつながっている。移動距離が長く複雑な空間構成のレジデンスで、荷物運搬業務の負担軽減を目的に、サービスの導入を決定した。三田ガーデンヒルズでは現在、計4台のロボットがポーターサービスに従事している。
FORRO PORTERは、屋内配送用サービスロボット「FORRO」がマンションのエントランスから住戸を自動で走行し、居住者に代わりに荷物を運ぶサービス。帰宅時は荷物をエントランスでロボットに託し、外出時はアプリで住戸前にロボットを呼び出してエントランスまで搬送できる。跳ね上げ式荷棚で最大積載重量は30キロ。
RoboHUBを介してエレベーターやオートドアと連動させ、複数のセキュリティエリアを経由してスムーズな移動できる。大規模な住空間において、自由にロボットと人が行き交う環境を構築した。2025年3月の試験導入から約3カ月間で、リピート利用率は50%以上を記録。ポーターサービス利用のうち20%以上がロボットによる配送だという。これらの成果を受け、今回本格的な活用を始めた。
三田ガーデンヒルズでは、警備業務や清掃業務にもロボットを導入し、サービスの自動化に取り組んでいる。今後も多様な先進技術を活用し、快適な住環境の提供と業務負担軽減/業務効率化による労働環境の改善を目指す。
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