ニュース
空中と地上で飛ぶ、転がる、インキメーカーのDICがなぜ球体型ドローンを開発したか?:Japan Drone 2025(1/3 ページ)
化学メーカーDICは、転がって進み、空へ飛び立つ──そんな新しい動き方をする球体型ドローン「アガモスフィア」を開発した。ドローン業界では異色の存在ともいえる素材メーカーが、製品を通じて社会と直接つながる新方針「Direct to Society」を体現するドローンの機体開発に託した思いとはどのようなものか。
2025年6月4〜6日に千葉県幕張メッセで開催された「Japan Drone 2025」。ドローンに特化した国内最大級の専門展示会として2016年に初開催された本展は、今回で10回目を迎えた。会場では、ドローン社会の本格到来を感じさせる最新機体や関連サービスが多数出展され、活況を呈した。
来場者の注目を集めていたのが、化学メーカーDICのブースだ。旧社名「大日本インキ化学工業」にも表れているように、DICは印刷インキや有機顔料、合成樹脂などを主力とする企業。ドローン業界では異色の存在ともいえるDICが今回展示したのは、球体型の全方位マルチコプター「HAGAMOSphere(アガモスフィア)」だ。
産学連携で生まれた球体ドローン
アガモスフィアは、2024年11月14日(米国時間)に「CES Innovation Awards 2025 Honoree」を受賞した機体だ。2025年1月には米ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」で世界初公開された。今回のJapan Drone 2025は日本初披露の場となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.