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障害物があっても高精度測位、GNSS動態観測システム「GeoLoc」のレンタル開始 清水建設などスマートコンストラクション

清水建設とレンタルのニッケンは、高精度GNSS動態観測システム「GeoLoc」のレンタル事業を開始した。工事中の切土/盛土やトンネル工事の坑口監視、インフラ構造部の動態観測などへの適用を視野に展開する。

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 清水建設は2025年6月20日、レンタルのニッケンと共同で、高精度GNSS(全球測位衛星システム)動態観測システム「GeoLoc(ジオロック)」のレンタル事業を開始したと発表した。RTK(Real Time Kinematic)方式の衛星測位技術により観測点の位置情報を常時取得し、周囲に障害物がある環境下でも観測点の微小な変位を検出できるのが特徴だ。

 今後、工事中の切土/盛土やトンネル工事の坑口監視、インフラ構造部の動態観測(壁測位)などへの適用を視野に、レンタルのニッケンを営業窓口として事業展開を進める。


GeoLocの活用イメージ 出典:清水建設プレスリリース

 従来のGNSS測位システムでは、観測対象の周囲に樹木や建築物などの障害物がある場合、衛星からの信号が遮られたり反射波が発生したりするため、測位精度が著しく低下するという課題があった。

 GeoLocは清水建設と東京海洋大学が共同開発した独自のRTK-GNSS測位アルゴリズムを採用している。あらかじめ座標が判明している基準点と、監視対象となる観測点の2地点で同時に測位を行い、取得した複数の衛星信号のうち誤差が大きい信号を除外することで解析精度を高める仕組みだ。これにより上空視界が制限された環境下でも、誤差数ミリから1センチの高精度測位を実現している。

 新システムの測位技術は既に清水建設の複数の建設現場で導入実績があり、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に「QuartetS(カルテットエス)」の名称で登録されている。

 レンタル利用では、専用の観測機器とモバイルルーターを基準点と観測点に設置するだけで運用可能。観測データはWebブラウザを通じて複数のユーザーがリアルタイムに閲覧でき、観測点の変位量が管理値を超過した場合には警報メール即時送信する機能も備えている。

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