清水建設、25年3月期は減収増益で営業黒字転換 営業利益710億円:産業動向
清水建設は2025年3月期連結決算を発表。売上高が前期比3.0%減の1兆9443億円となったものの、国内建築事業の工事採算改善により、営業利益は前期246億円の損失から710億円の黒字に転換した。2026年3月期も増益基調の維持を見込んでいる。
清水建設は2025年5月14日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比3.0%減の1兆9443億円となったものの、国内建築事業での工事採算の改善などにより、営業利益は前期の246億円の損失から710億円の黒字へと転換した。経常利益も同198億円の損失から716億円の黒字となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同284.6%増の660億円を計上した。
事業セグメント別では、建設事業の売上高が前期比5.6%減の1兆3808億円となったが、工事採算改善によりセグメント利益は同171.4%増の564億円と大きく伸長した。投資開発事業は開発物件の売却減少などが影響し、売上高は35.2%減の535億円、セグメント利益は同38.9%減の168億円となった。道路舗装事業は堅調に推移し、売上高は同2.4%増加の1642億円、セグメント利益は同26.3%増の98億円となった。
また、エンジニアリング事業やグリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業、日本道路を除く子会社が営む各種事業の売上高は前期比4.2%増の4965億円、セグメント利益は同10.7%減の249億円となった。
次期2026年3月期の業績見通しは、売上高が前期比1.8%減の1兆9100億円を見込むものの、営業利益は同9.8%増の780億円、経常利益は同1.9%増の730億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.6%増の750億円と、増益基調を維持する見通しだ。
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