建設/土木向け360度カメラ、業務支援サービスと一体提供 リコー:製品動向
リコーは2025年8月、建設/土木業をはじめとする多様な現場に向けに、360度カメラとクラウドサービスを一体型で提供する「RICOH360 THETA A1」を発売する。耐久性や操作性を改善し、撮影からデータ共有/管理までのワークフローを一元化。現場の記録業務を効率化する。
リコーは2025年6月3日、建設/土木業をはじめとする多様な現場に向けに、360度カメラとクラウドサービスを一体型で提供する「RICOH360 THETA A1」を、8月上旬に発売すると発表した。耐久性や操作性を改善し、撮影からデータ共有/管理までのワークフローを一元化することで、現場の記録業務を効率化する。
新製品の発売に伴い、ブランド名をこれまでの「RICOH THETA」から「RICOH360 THETA」に変更する。
撮影した360度画像はクラウド上に自動アップロード
RICOH360 THETA A1は、頻繁な三脚への着脱に耐える金属製の三脚ネジ穴を採用し、IP64準拠の防じん/防滴性能を備える。30〜40度の高温環境でも安定した長時間の撮影やライブストリーミングに対応。スリープ状態でも無線LANを通じて画像や動画をRICOH360クラウドに自動アップロードし、作業終了直後の撮影から共有までの業務フローを大幅に効率化する。
暗所や屋内では照度に応じた自動ノイズリダクション機能により、撮影経験の少ないスタッフでも高品質な360度画像を取得できる。起動や撮影時のレスポンスも向上。1日の工事完了後に作業員がワンタッチで現場撮影を行うと、画像は自動でクラウドにアップロードされ、遠隔地にいる監理技術者などが即座に状況を把握できる。断熱材の施工状況や開口部の補強などもチェックでき、施工ミスの早期発見や是正指示の迅速化につながるとしている。帳票用の記録写真としての活用も可能。
RICOH360 THETA A1は、クラウドサービスやサポートを含む「RICOH360 ビジネスパッケージ」として提供する。撮影、編集、確認、共有、端末管理が可能なアプリケーションやサポートが含まれる。
併せて、充電式バッテリー「TB-1」(定格容量1485mAh)や専用充電器「TJ-1」などのアクセサリーも発売予定。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
点群:ボタン1つで手軽に現場を3D化 3Dスキャンの壁を打ち破るレーザースキャナー「FARO Blink」
FARO Technologiesは、ボタン1つで建設現場を3Dデータ化できる3Dレーザースキャナー「FARO Blink」をリリース。ボタン1つでスキャンが始まり、位置がズレたり、間違った場所だったりすると通知し、スキャニングの専門知識がない初心者でも高精度な3Dデータを取得できる。現場管理:リコー、360度カメラと画像活用アプリで現場の記録/共有を効率化
リコーは、建設/設備管理業界などの現場業務を対象に、360度カメラとAIによる画像補正、画像データ共有機能などを備えた「RICOH360 ビジネスパッケージ」の国内提供を開始した。現場管理:360度カメラとWebアプリで現場状況共有、イクシスがレンタルで提供
イクシスは、360度現場体験共有システム「GENBA-Explorer」をリリースした。360度カメラと専用Webアプリケーションを組み合わせたレンタルサービスの提供により、現場の写真管理省力化を支援する。AI:3D点群認識技術を活用、施工進捗判定を自動化 リコーと日本設備工業
リコーと日本設備工業は、3D点群処理技術とAIを活用し、施工進捗管理の自動化を目指す実証実験を開始した。BIMデータと360度カメラで撮影した現場画像を点群化し、仮想空間上で重ねて進捗を自動判定する。建設業の未来を創る技術拠点(1):“サウナと水風呂”で次の100年を拓く 前田建設 ICI総合センターの意義(前編)
人手不足や建設費高騰、脱炭素化への対応など、建設業界はかつてない変革期にある。各社は自社の強みをどう磨き、どのような未来像を描いているのか。答えの一端が技術開発拠点にある。シリーズ「建設業の未来を創る技術拠点」第1回目は、前田建設工業の技術研究所「ICI総合センター」を取材。前編ではセンターの全体像を紹介し、後編ではセンターの役割や具体的な研究内容について紹介する。ICT建機:2025年度のICT施工原則化で、コマツが3D施工の標準モデルと位置付ける次世代ICT建機
2025年度から国交省の直轄土木工事のうち「土工」と「河川浚渫」で、小規模でも発注者指定を基本にICT施工が原則化される。建機メーカーのコマツはこうしたICT施工の拡大に対応すべく、運転席のモニターに設計データの掘削面と刃先の位置などを表示する施工サポート機能「3Dマシンガイダンス」を標準搭載した次世代3D施工機を提案する。