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間伐材活用の耐火外壁「カンタイパネル」開発、60分耐火認定取得:木造/木質化
大和ハウス工業、フジタ、芳賀沼製作の3社は、カーテンウォール形式の間伐材耐火外壁を共同開発し、60分耐火認定を取得した。
大和ハウス工業は2025年3月28日、フジタ、芳賀沼製作と共同で、カーテンウォール形式の間伐材耐火外壁「カンタイパネル」を開発したと発表した。火災時の延焼リスクが高い都市部での使用を想定し、60分耐火認定を取得した。
カンタイパネルは、ホテルや物流施設、住居向けに開発した耐火外壁で、重さは1平方メートル(正面から見た面積)当たり135キロ。木の芯材を強化石こうボードで覆うことで、火災から芯材を保護する構造とした。強化石こうボードは角にL字形鉄板を、外壁パネルの連結部には耐火目地材と耐火ガスケットを使用して建物内外から壁体内への炎の侵入を防ぐ。大和ハウス工業によると木質カーテンウォールの60分耐火認定は国内初。
カーテンウォールは構造躯体によって支えられるため、建物の荷重を負担する耐力壁と比較して構造上の制約が少なく、外装面材を後から貼れるなどデザインの自由度が高いという特徴がある。工場で製造するため、現場では部材の取り付けのみで済み、工期短縮にもつながる。
さらに、間伐材の利用拡大を目的に、樹種を問わず使用できるタテログ構法を採用した。タテログ構法はビスで製材を固定しパネル化するため、強度が低いスギなどの芯材でもカーテンウォールの強度を高められる。
今後は、2025年9月末に竣工予定の「フジタ技術センター付属棟」に適用して検証を行い、顧客への提案を開始する予定だ。
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