別子銅山の木を1000本使用した万博パビリオン「住友館」公開 森をめぐる冒険で「いのちの物語」を体験:大阪・関西万博(4/4 ページ)
住友グループは大阪・関西万博の開幕直前となる2025年4月2日、「住友館」のプレス内覧会を開催した。パビリオン建設では、住友グループ発展の礎となった“別子銅山”で植林したスギやヒノキなど約1000本の木々を活用した。内部では会期中、ランタンを片手に森を冒険する「UNKNOWN FOREST」、複層の映像スクリーンと音楽や人が融合する大迫力の演出が繰り広げられる「パフォーミングシアター」を展開する。
「UNKNOWN FOREST パフォーミングシアター」
マザーツリーが示すルートに沿って行き着いたのは「UNKNOWN FOREST パフォーミングシアター」。
幅20×高さ7.5メートルのパフォーミングシアターを舞台に、風や霧の演出、音と光が一体となった没入型のパフォーマンスが繰り広げられる。
舞台は3層のレイヤー構造で構成。奥には巨大なLEDビジョン。演者の動きを効果的に見せる舞台装置。観客の目の前にはプロジェクターから立体的に映像を投射するメッシュスクリーン。映像、音楽、人の動き、空間に漂う風や霧が、見る者の感覚を揺さぶる。
生成AIによるアイデア創出の「ミライのタネ」と「森のがっこう」で植林体験
住友館は過去を語るだけではない。もう一つの展示「ミライのタネ」では、住友グループの700を超える最先端技術や取り組みをもとに、誰もが「ミライのアイデア=ミライのタネ」を創出できる参加化型共創プロジェクトのWebプラットフォームを用意している。
プロジェクトの中核となるのは、生成AIによるアイデア創出のオンライン上の共創プラットフォームだ。万博会期中にオープンする特別サイトで、世界中どこからでも、誰もがミライのタネを作れる。閉幕後には「レガシー施策」として住友グループのWebサイト上にアーカイブされる。
前述したように、今回のパビリオン建設では住友グループがこれまで大切に育ててきた四国“別子の森”から建築用の木々を伐採した。その伐採場所に新たな苗木を植え、未来に続く森づくりを行う。その植林作業の一部を「森のがっこう」とし、次世代を担う子どもたちが参加できる「植林体験イベント」をパビリオン内でも実施する。
対象は主に小学生で、1日4回1回15人が参加できる。事前予約が必要だが、空きがあれば当日でも先着順で受け付けるそうだ。
「住友館」画像一覧: ※クリックで拡大
























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