セレッソ大阪舞洲グラウンドのドローンをメルボルンからリアルタイムで遠隔操縦:ドローン
Red Dot Drone Japanは、セレッソ大阪舞洲グラウンドにあるドローンをオーストラリアのメルボルン大学からリアルタイムで遠隔操縦した。Red Dot Drone Japanが開発した遠隔操縦アプリ「dQue」を活用し、8117キロの距離をつないだ。
ドローンの遠隔操縦アプリを開発するRed Dot Drone Japanは2025年1月下旬、日本にあるドローンをオーストラリアからリアルタイムで遠隔操縦する実証実験を実施したと公表した。
セレッソ大阪舞洲グラウンドから8117キロ離れたメルボルン大学で遠隔操縦
今回の実験は、公益財団法人の大阪産業局による「IoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム」として実施。オーストラリアのメルボルン大学から大阪府大阪市此花区のセレッソ大阪舞洲グラウンドにあるドローンをリアルタイムで遠隔操縦した。両地点は8117キロ(約5000マイル)離れており、2019年に実施したシンガポールと富士山をつないだ5224キロを超え、ドローン遠隔操縦の中で最長距離になった。
実証ではRed Dot Drone Japanが開発した遠隔操縦アプリ「dQue」と既存の電話回線、映像伝送システム、市販ドローンを用いた。操作はスマホを取り付けたコントローラーの左右スティックと左上のカメラ角度を変えられるダイヤルで、設定した範囲内をゲーム感覚で自由に飛行させられる。
dQueは既存の電話回線を使用し、数百キロ〜数千キロ離れた場所のドローン操縦を可能にするRed Dot Drone Japanの独自技術。建設作業の進捗状況確認や警備での状況把握を行う際に人が現地に赴く必要があったが、dQueを用いた遠隔操縦により、人の移動や機材の運搬など時間とコストがかかる課題が解消する。
今後は、日本に興味のある旅行検討者向けのドローンサービスを計画する自治体や企業との連携を図る他、屋外警備や施設管理、GPSが入らない屋内での用途での提案を進める。
Red Dot Drone Japanは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、遠方に配備したドローンを操縦してリアルタイム映像の素晴らしい景色を体験する“遠隔旅行”を想定し、大阪ヘルスケアパビリオンで「遠くにあるドローンを操縦して旅行体験してみよう!」として出展する予定。
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