ニュース
送電鉄塔への物資輸送に無人ヘリ活用 川崎重工らが事業化目指す:製品動向
川崎重工業、かんでんエンジニアリング、朝日航洋は、無人ヘリコプターを活用した送電鉄塔向け物資輸送サービスの事業化を目指す。
川崎重工業は2025年3月13日、かんでんエンジニアリング、朝日航洋と共同で、川崎重工業が開発する無人ヘリコプター「K-RACER」を活用した送電鉄塔向け物資輸送サービスの事業化を目指すと発表した。
国内には送電網を構成する送電鉄塔が約24万基が設置されている。電力の安定供給には定期的な送電鉄塔の建て替えや設備更新、保守などの作業が不可欠だ。一方、送電鉄塔が山間地などに設置されているケースでは、資機材の輸送は有人ヘリコプター、モノレール、索道、人肩運搬などで行われており、新たな輸送手段が求められている。
3社は物資輸送サービスの実用化に向けてまずは実証実験に着手し、技術課題などを検討する。
K-RACER(K-RACER X2)の基本仕様は、メインローター直径7メートル、1回当たりの最大搭載量は200キロ。航続距離は100キロ以上、連続運用可能時間は1時間以上。川崎重工では、サービスの対象となる送電鉄塔向け市場で数十機、市場全体では数百機の機体需要を見込んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Japan Drone 2024:型式認証で空の物流は新たなページへ マルチローターとVTOLの統合型ドローン輸送網
イームズロボティクスは、次世代の物流インフラを担うと期待される物流用途機体として認証を受けたドローン機体を開発している。既に物流用途機体としてマルチローターモデルで第二種に加え、第一種の型式認証を取得予定で、新型VTOL機も実用化に向けて準備に入っている。その先には、マルチローター機のラストワンマイル配送とVTOL機による拠点間輸送で、統合的なドローン物流網の構築を目指す。Japan Drone 2024:中国の最新“空飛ぶクルマ”で都市と空を結ぶ未来の交通 AirXが2030年に事業開始
中国EHang製の自律型無人機による実証実験の成功やEveとのeVTOL購入契約締結など、着実な歩みを見せるAirX。2030年の事業化を目指し、「Japan Drone 2024」で“空飛ぶクルマ”の実機展示とVR体験で未来の空の交通を提示した。Japan Drone 2024:災害時に必要なのは“情報収集力” 1000km飛行のVTOLドローンを開発したテラ・ラボの「災害対策DX」
気候変動や脆弱な都市インフラを背景に、世界規模で自然災害による被害が拡大している。日本では国土強靱化基本法を制定し、国や地方自治体で防災/減災の対策が講じられている。テラ・ラボはこうした状況を踏まえ、「広域災害情報支援システム」の構築を目指すベンチャー企業だ。i-Construction 2.0:あらゆる建機をStarlinkで遠隔操縦 NTT Comが東大発ベンチャーと建設現場の「無人化施工」へ
NTTコミュニケーションズは、東大発ベンチャーのARAVと共同で、日本全国の建設現場で稼働するあらゆる建機を対象に、遠隔操縦を可能にする「遠隔操縦/自動化ソリューション」の提供を開始した。大手通信キャリアの強みとなる通信は、5Gや固定回線だけでなく、衛星通信の「Starlink」とメッシュWi-Fiも提供し、映像遅延が0.3秒以下に収まる遠隔操作に適したネットワーク環境を構築できる。ロジスティクス:延べ6万m2の「MFLP名古屋岩倉」竣工、「中継輸送」の拠点で物流2024年問題に対応
三井不動産が、愛知県岩倉市川井町で、2023年4月から錢高組の設計・施工で建設を進めていた物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)名古屋岩倉」が竣工した。新施設は、「物流2024年問題」の解決策の1つ「中継輸送」の拠点となる好立地に位置する。2050年にディーゼル機ゼロへ:技研製作所が“圧入”DXで目指す売上高1000億円 東京〜高知の遠隔施工に成功
技研製作所は、地盤工事でグローバルに展開する「圧入施工」の遠隔操作をデジタルツインで実現した。数百キロ離れた場所にいるオペレーターがラジコンのように操作するだけで、AIの自動調整で杭のズレは10ミリ以内に収まる施工品質が保てる。2024年問題に応じる省人化だけでなく、海外現場で熟練者の配置や人材育成も不要となる。