建設現場の新規入場者教育を効率化、動画とWebテスト活用 安藤ハザマとL is B:現場管理
安藤ハザマとL is Bは、企業向け動画サービスを活用し、建設現場での新規入場者教育の効率化を図る新サービス「N-Pass」の共同開発を開始した。
安藤ハザマとL is B(エルイズビー)は2025年3月13日、新規入場者教育ソリューション「N-Pass」の共同開発を開始したと発表した。L is Bの企業向け動画サービス「ナレッジ動画」と連携し、建設現場での新規入場者教育の効率化を図る。
新規入場者教育は労働安全衛生規則に基づき、特定元方事業者が初めて現場で作業する技能者に対し、現場状況や作業時の注意事項などを周知する業務だ。従来は対面での教育を実施しており、準備を含めると1回当たり約1時間を要していた。工事期間中に数十回から100回以上実施するケースもあり、教育担当者の負担軽減が課題となっていた。
両社は対面教育のうち「教育動画」の視聴と「理解度テスト」の受検をオンラインで実施できる環境を構築。テストで合格ラインを超えるとWeb上での教育が終了し、後日、対面教育や書類確認などを現場で行う。
複数の現場での半年以上にわたる検証の結果、教育担当者の負担が半減し、新規入場者自身の負担軽減も確認できた。この結果を踏まえ、N-Passの共同開発を実施することとなった。
N-Pass導入で対面教育時間を2分の1〜3分の1に短縮
共同開発するN-Passは、Web上で教育動画の視聴や理解度テストの受検、合格後の修了証取得までをシームレスに実施。現場入場前に教育の半分を完了させることで、現場での対面教育時間を従来の2分の1〜3分の1に短縮する。
教育担当者は現場に合わせた動画を準備し、URLやQRコードを新規入場者へ共有。新規入場者はこの動画を視聴した後、画面の指示に従ってテストを受検し、基準の正解数を上回れば修了証が発行される。
受検者データは、現場向けビジネスチャット「direct/ダイレクト」と連携して一元管理。受検の状況や結果はチャットに通知され、現場内関係者間で状況を迅速に共有できる。また、理解度テストは教育担当者が容易に登録/変更可能で、現場状況に応じたテスト内容の見直しも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
現場管理:クレーン作業の安全確保をAIで監視、若築建設とイクシスが開発
若築建設はイクシスと共同で、クレーン作業時の吊り荷と作業員の接近警戒システム「WIT 3rdEYE」を開発した。AI技術を活用し、カメラ画像から吊り荷の形状と人物を同時に検出。両者の間隔を算出して監視することでクレーン作業時の安全性を向上させる。現場管理:建設現場の機械予約管理をデジタル化、分析機能で低稼働機械の早期返却促す
Archは、建設現場の機械予約をデジタル化する「Arch QR機械予約」を正式リリースした。Arch既存サービスで建機レンタル品の管理を効率化する「Arch レンタルプラットフォーム」、機械/足場の安全管理を一元化する「Arch 安全セーフティ」とも連携する。スマートコンストラクション:IoTシステムと生成AIで高速道路リニューアル工事の安全管理を効率化 鉄建建設
鉄建建設とMODEは、IoTシステムと生成AIを活用し、高速道路リニューアルプロジェクトの車線規制管理を効率化する実証実験を開始した。現場管理:位置プラス進捗管理を改良、作業予定日管理で遅延を早期発見 竹中工務店
竹中工務店と朝日興産は、建築工事の進捗実績を部屋/部位ごとに可視化するアプリ「位置プラス進捗管理」をリニューアルした。AI:IoTの五感と映像の目、「マルチモーダルAI」の頭脳を持つ次世代の現場監視 MODEがキヤノンMJ、セーフィーと提携
建設現場の遠隔監視が生成AIへの話し言葉で可能になるMODEの「BizStack Assistant」。現場向け映像カメラサービスに強みがあるキヤノンマーケティングジャパンとセーフィーとの技術提携により、両社のカメラで取得した映像も、異なる種類のデータを扱える“マルチモーダルAI”で、発話での呼び出しや画像解析が可能になる。AI:AI音声認識を用いた現場報告システムを開発 実証で年2000時間の作業時間を削減
ファイナンシャルテクノロジーシステムは、建築現場向けにリアルタイムAI音声認識を用いた現場報告システムを開発した。LINEを介して音声報告するとテキスト化される手軽さから、導入企業では報告率が400%向上し、年2000時間の管理時間の削減につながったという。