位置プラス進捗管理を改良、作業予定日管理で遅延を早期発見 竹中工務店:現場管理
竹中工務店と朝日興産は、建築工事の進捗実績を部屋/部位ごとに可視化するアプリ「位置プラス進捗管理」をリニューアルした。
竹中工務店とグループ会社の朝日興産は2025年2月18日、建築工事の進捗実績を部屋/部位ごとに可視化するアプリ「位置プラス進捗管理」をリニューアルしたと発表した。進捗線をブロック矢印形式に変更して視認性を高めた他、作業予定日管理機能などを新たに追加した。
位置プラス進捗管理は、作業者がスマートフォンなどのモバイル端末から工事の作業実績を登録し、工事関係者間でリアルタイムに情報共有するクラウドサービス。登録された工事の進捗状況は進捗表(鳥かご表)/進捗図/進捗線の3つの管理図表に瞬時に反映し、管理業務の手間を削減する。マンションやホテル、病院など部屋数が多い建種の新築/改修工事を中心に、累計200現場で導入実績がある。導入現場で実施した調査では、若手工事管理者の進捗管理業務の負担が平均47%削減されたという。
機能拡充で現場管理をより効率化
今回のリニューアルでは、進捗線を従来の線分形式からブロック矢印形式に刷新。各部屋/部位の完了割合だけでなく、問題が生じている作業が視覚的に把握できるようになり、現場管理をより効率化する。
出来高(出来形)集計/出力機能も拡充した。進捗実績を月ごとにまとめて作業別/協力会社別にExcel出力できる。集計期間は任意に設定可能で、現場の請求タイミングに合わせて集計が行える。出来高請求時の根拠資料として利用することで、事務作業の効率化につながり、作業者によるアプリへの作業登録を促す効果も見込まれる。
また新たに、個々の作業に対して開始日と完了日を登録できる作業予定日管理機能を追加。期日を過ぎると管理画面上に着手遅れ/完了遅れのアイコンを表示し、作業遅延の早期発見につなげる。
PDF登録/閲覧機能も追加した。マンションやホテルの新築工事ではオプション表/間取図/仕上表を、部位ごとの管理時には詳細図を登録/閲覧できるようになり、複雑な工事の進捗管理にも対応する。さらに、スマートフォン向け画面について、建設現場の作業者が見やすく極力少ないクリック数で登録できるように改良した。
アプリは朝日興産を通じて外販しており、今後も販売先の拡大を図る。
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