ニュース
AI音声認識を用いた現場報告システムを開発 実証で年2000時間の作業時間を削減:AI
ファイナンシャルテクノロジーシステムは、建築現場向けにリアルタイムAI音声認識を用いた現場報告システムを開発した。LINEを介して音声報告するとテキスト化される手軽さから、導入企業では報告率が400%向上し、年2000時間の管理時間の削減につながったという。
ファイナンシャルテクノロジーシステムは2025年1月29日、リアルタイムAI音声認識を用いた「音声認識現場報告システム」を開発し、ゼネコンやハウスメーカー、チェーン店にガラス建材を卸している専門商社の宮吉硝子に提供したと発表した。
作業員からの報告率400%向上、年2000時間の時間削減
システムは、完全オーダーメイドの音声認識現場報告システム。作業員はスマートフォンからLINE上のシステムから音声で報告が可能で、現場管理者はAIがテキスト化した報告内容を確認できる。特に確認したい項目は、画像添付機能などで追加報告させることで重要な報告を漏らすことがない。
また、報告内容はAIが自動でリスクの有無を検知し、リスクとみなされる内容を含んでいた場合は現場管理者にリアルタイムでアラート通知する。
導入した宮吉硝子では、以前は作業員からの報告が少なく、日々現場管理者が作業員に電話で現場状況を確認していた。そのため、すぐに連絡が取れないなどのタイムラグ、現場状況を把握するためのヒアリング時間、電話代などのコストが課題だった。また、報告にバラツキがあるため、顧客からの連絡で問題が発覚するなど対処に遅れも生じていた。
宮吉硝子での実証実験では、作業員の報告と確認時間が30%削減し、作業員からの報告率が400%向上。現場管理者の作業管理時間も2000時間削減したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
生成AI:IoTプラットフォーム「BizStack」とAIアシスタント「BizStack Assistant」がNETIS登録
MODEのIoTプラットフォーム「BizStack」とAIアシスタント「BizStack Assistant」が、国土交通省のNETISに登録された。AI:監視カメラ映像とAI画像解析で作業者の危険行動を検知、安藤ハザマとNTT-ATが建設現場で実証開始
安藤ハザマとNTTアドバンステクノロジは、建設現場の監視カメラ映像とAI画像解析技術を活用した危険行動検知システムを開発した。導入事例:AI配筋検査システムを施工中の建築現場に適用、生産性向上を確認 安藤ハザマ
安藤ハザマは、プライム ライフ テクノロジーズの建設DXサービス「CONSAIT」のAI配筋検査システムを滋賀県大津市の工事現場に適用し、現場管理業務の生産性向上を確認した。今後はRC造の建築現場を中心にシステムの適用を拡大する。AI:大阪・関西万博の建設現場で実証中、AI気象予測で施工管理業務の効率化目指す 大阪ガスと大林組の挑戦
大阪ガスと大林組がタッグを組み、AI技術を活用した建設工事向け気象予測情報サービスの開発に乗り出した。2024年3月からは「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の建設現場で実証実験をスタート。実証の中でサービスの有用性の評価や改良を進め、2025年度の外販を目指している。両社の担当者に、開発の経緯やサービスの現状について聞いた。デジタルツイン:4DモデルとWebカメラ映像で建設現場をリアルタイムに再現、奥村組とDTSインサイト
奥村組とDTSインサイトは、デジタル空間に4Dモデルで建設現場を再現する「4Dモデル/現場映像連携システム」を開発した。新システムの導入により、現場管理の高度化と効率化を図り、建設現場の生産性が向上する。安全衛生:顔の変化で“熱中症”を判定するポーラ化成工業のAIカメラ「カオカラ」
ポーラ化成工業は、熱中症リスク判定AIカメラ「カオカラ」を新事業として建設業界への販売に注力している。カオカラは、化粧品開発で培った顔解析のノウハウを生かし、顔の変化と外気温や湿度などの外部情報との組み合わせで、AIが熱中症リスクを判定する。