東洋建設が「Autodesk Build」導入、監理者検査をデジタル化:BIM
東洋建設は、監理者検査業務に建設プロジェクト向けプラットフォームの「Autodesk Construction Cloud」の製品群のうち、「Autodesk Build」を採用した。プロジェクト情報をデジタル化し、業務効率の向上と情報共有のコミュニケーション改善が実現した。
米Autodeskは2025年1月9日、東洋建設が建設プロジェクト向けプラットフォーム「Autodesk Construction Cloud(ACC)」製品群のうち、包括的な現場管理やプロジェクト管理をデジタル化する「Autodesk Build」を監理者検査業務で採用したと発表した。
現場巡回の指摘事項まとめ時間を半減
東洋建設は、これまで現場管理やプロジェクト管理で、メールでのやり取りの多さ、作業の内容や指摘箇所に関する認識の齟齬、関係者間での情報共有のタイムラグなどの課題を抱えていた。
そこで、監理者検査業務でAutodesk Buildの活用を進めることに決めた。その足掛かりとして第一のミッションとなったのが、プロジェクト情報とワークフローをAutodesk Buildに集約させ、リアルタイムで情報共有することだった。
東洋建設 建築事業本部 設計部 DXデザイングループがワークフロー整備と検証を進め、実現場での適用を2024年8月から開始した。現場では、プロジェクト情報をデジタルデータ化することで帳票入力を削減し、自動レポート作成も可能にした。また、設計部外との設計図書の最新版管理もAutodesk Buildで行い、メールのやり取りを減らし、書類の拡散によるコミュニケーションやデータロストも防げる。
プロジェクト情報をデジタルデータ化し、レポートの自動出力も可能になったため、議事録の作成が不要となった。また、現場巡回中に作成した指摘データをリアルタイムにクラウドで処理することで、指摘事項のとりまとめ時間をACC導入前と比べ約50%削減した。
他にも、東洋建設内で実施している講評会(確認会)で、図面上に配置された指摘ピンの位置や登録した写真で指摘箇所などを各自のデバイスから確認できるため、認識齟齬の発生防止に役立てているという。
現在、東洋建設では監理者検査業務での活用に向けて検証し、他の段階検査(建築部、設備、発注者、消防検査)での利用も見据え、さらなるデジタル化を進め、指示書やレポートの標準化を推進している。今後はAutodesk Buildを用い、報告の効率化や協力会社との連携も強化し、教育や指摘管理も充実させ、全体的な業務の効率化と品質向上に取り組む。
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