新幹線車両をリサイクルしたアルミ建材、三井不動産レジの新築物件で採用 CO2最大8割削減:製品動向
JR東海と三協立山、ジェイアール東海商事は、東海道新幹線車両のアルミをリサイクルした低炭素アルミ建材「Re ALumi T」を共同開発した。既に三井不動産レジデンシャルの新築物件で、サッシへの採用が決まっている。
JR東海は2024年11月21日、三協立山、ジェイアール東海商事と、東海道新幹線車両のアルミをリサイクルした低炭素アルミ建材「Re ALumi T」を共同開発したと発表した。第1弾として、再生アルミを50%使用した「Re ALumi T50」が、三井不動産レジデンシャル新築物件のサッシに採用されることが決定している。
Re ALumi Tは、JR東海グループがこれまで雑貨や装飾材などに活用してきた「東海道新幹線再生アルミ」の持つ高い強度や耐候性、表面処理性を生かした建材だ。再生アルミを50%使用したT50と、100%使用したT100の2種類をラインアップ。天然資源から抽出した新地金を使用する場合と比較して、製造時のCO2排出量をT50で約4割、T100で約8割削減する。さらに、材料リサイクルを通じてアルミの国内循環比率向上にもつながる。
T50の用途は主にカーテンウォールやサッシで、2024年11月21日から受注を開始した。T100はルーバーやスパンドレルなどへの使用を見込んでおり、2025年3月から受注を開始する予定だ。
T50は既に、三井不動産レジデンシャルが開発中で2025年9月に完成予定の「(仮称)文京区向丘1丁目計画」でサッシへの導入が決まった。これに加え、JR東海グループとマリオット・インターナショナルが開発中で、2026年度に完成予定のホテル「コートヤード・バイ・マリオット京都駅」において客室のサッシに導入予定だ。
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