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「ゼロカーボンビル」実現へ、大成建設が7割リサイクルのアルミ形材を採用:新建材
大成建設は、「大成建設グループ次世代技術研究所」の研究管理棟に、LIXILが開発した循環型低炭素アルミ形材「PremiAL R70」を採用する。
大成建設は2024年3月13日、「大成建設グループ次世代技術研究所」の研究管理棟のビル建材に、LIXILが開発した循環型低炭素アルミ形材「PremiAL R70」を採用すると発表した。大成建設によれば、ビル建材としての採用は国内初になるという。
建物ライフサイクルでCO2排出量をゼロにする「ゼロカーボンビル」実現
PremiAL R70は、サッシを製造する過程で出る端材などの工程内端材と、一般から回収されたリサイクルアルミを70%使用した再生地金と30%の新地金を用いて成形されたアルミ形材。今回は、PremiAL R70を用いたビル用の高意匠隠框サッシ「E-SHAPE Window Type-S」を採用した。大成建設の試算によると、新地金100%のアルミ形材を用いた場合と比べ、CO2排出量を約55%削減できるとしている。
大成建設は今後、解体工事やリニューアル工事などでアルミサッシを回収し、原材料や材料の一部として利用する。PremiAL R70を上回る材料として、リサイクルアルミを100%用いた「PremiAL R100」も同社施工の新築現場などに積極的に用いる。また、その他の再資源化材も、建設プロジェクトでの積極的な採用を進める。
アルミサッシの原材料となるアルミニウムの再生利用が可能となれば、原料のボーキサイト鉱石からアルミナ分を抽出し、電気分解によるアルミ地金の製造を経て形材を成形するまでの過程で生じる大量のエネルギー消費とCO2排出量の大幅な削減が期待される。
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