パナソニックEW社がLED照明を刷新 誰でも交換可能に:LED(2/2 ページ)
パナソニック エレクトリックワークス社は、系統の電力供給を可能にする配線ダクト「OSライン ダブル」対応のアタッチメントとユーザーがランプ部を交換できる小型LED照明をリリースした。
OSライン ダブルの説明を行ったパナソニック エレクトリックワークス社 電材&くらしエネルギー事業部 マーケティングセンター パワー商品部 部長 山村康治氏は、今後の目論見として、2023年ではOS ライン シングルに対して40%だったOS ライン ダブルの売上比率を2027年には60%まで上げ、OS ライン シングルとダブルの合計で4.2億円まで上げたいとの考えを示した。
市場環境やユーザー嗜好の変化に応じる多彩な照明ラインアップ
日本での新築住宅の着工件数は、バブル崩壊以降減少し、約30年でほぼ半数にまで落ち込んでいる。こうした変化を受け、ハウスメーカー各社は高価格帯にある邸宅以外にも店舗併用の集合住宅、ホテル、クリニックといった物件にも力を注ぐようになった。
今回パナソニックが発表したコンパクトLEDランプなどの照明は、こうした社会情勢の変化に対応し、求められる環境やトレンドにもマッチするものとなっている。発表となったのはランプが36種類と対応する照明器具14種類。双方の組み合わせによって204種類の照明ラインアップとなる。
パナソニック エレクトリックワークス社 ライフスタイルライティング ビジネスユニット 藤巻洋介氏は、空間設計のトレンドとして「建築同化」と「つながるウチとソト」の2つを挙げる。前者は空間のノイズになりにくい小口径かつ小型で存在感のない照明、後者は部屋の内と外を一体感をもってつなぐ空間設計の考え方だ。パナソニックの照明ラインアップはトレンドにマッチし、さらにLEDコンパクトランプではユーザー自らが交換できるという付加価値を与えている。
ランプ部を交換可能にし、環境保護にも貢献
今回のラインアップで注目すべきなのが、ランプ部の交換が一般のユーザーにもできる点だ。従来の一体型であれば、照明設備の変更は電気工事の資格を保有する人だけが可能だったが、新しいラインアップではユーザー自ら照明を交換可能だ。
これによって、照明の設置後も照明の色味や明るさ、配光などが手軽に変更できるようになる。ライフスタイルの変化や季節の移り変わり、来客の有無などに応じて柔軟に照明環境を変更できるのは、これまでの照明にはなかった大きな魅力だ。また、照明環境の変更に際しても大掛かりな工事が不要な面は、工事を行う人材の不足対策に貢献する。さらには器具の交換によって廃材が出ないことは、環境の保護にもつながる。
環境負荷の低減に関しては、本体の小型化も大きく貢献している。小型のデザインは製品の製造に必要な部材も少量化でき、梱包材の削減にもつながり、運送面でも負荷低減する。新しいスポットライト「コンパクトランプ」では、従来の「フラットランプ」に比べて製品体積で約80%の小型化、重さで約40%の軽量化を実現し、輸送ではパレット積載数が約30%増やせるという。
藤巻氏は、目指す姿として「社会課題の解決やエコとの両立を前提に、快適な住みごこちを実現する上質な空間を提供し、個々の豊かさに貢献していきたい」とし、交換型照明の普及を進めたいと話した。
交換型照明の販売台数(構成比)の2027年度目標は、現在約40%のダウンライトを約50%へ、スポットライトを現在の約30%から約60%とすることを示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プロジェクト:超高層複合ビル「TODA BUILDING」開業、最新技術を取り入れた「芸術文化の発展拠点」の全貌
戸田建設が東京都中央区京橋一丁目で開発を進めてきた超高層複合ビル「TODA BUILDING」が開業した。「芸術/文化の形成」と「地域の防災力強化」をテーマに、隣接する街区と共同で、アートとビジネスが交錯する芸術文化の拠点として整備してきた。建物はコアウォール免震構造による国内トップレベルの耐震性能を実現し、「ZEB Ready」認証取得などの高い環境性能も備えている。 - ワークプレース:音楽でワーカーの脳を「ととのう」ワークブース コクヨとVIE、東京建物が共同開発
東京建物とコクヨ、VIEは、音楽で働きやすい空間を提供する可動式ブース「VIE POD」を共同開発した。オフィスワーカーがブースに入ると音楽や映像で脳に刺激を与え、「ストレス軽減」「集中」「ととのう」など理想的なコンディションに導く。 - メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024:「誰一人取り残さない熱中症対策」カナリアのようにリスク警告する腕時計型デバイス
スタートアップBiodata bankが開発した熱中症対策ウォッチ「カナリア Plus」は、特別なセッティグが不要で、装着するだけで熱中症リスクを感知するとアラートで警告を発するデバイスだ。シンプル機構のデバイスは、熱中症対策ギアの新標準に成り得るのか。 - ロジスティクス:都内最大級、延べ25万m2超の物流施設が板橋区に竣工 ドローン実験場も併設 三井不など
三井不動産と日鉄興和不動産が共同開発した都内最大級の街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」が、2024年9月30日に竣工した。 - 導入事例:福岡の全屋台に「営業中かLINEで分かる」IoT電球を導入 建設現場の就業合図にも
福岡市が進める屋台をデジタル化する「屋台DX」の一環で、IoT電球「Hello Light」を市内の全屋台に導入した。各店舗に吊り下げた裸電球の点灯を自動検知し、屋台街のLINEアカウントに営業中かどうかを表示する。Hello Lightは今後、設置工事が要らずスイッチを押して点灯するだけで情報が伝達される簡便さから、建設現場での就業開始の合図などへの活用も見込まれている。 - 脱炭素:リアルとデジタルを融合、1拠点で複数の分譲マンションを販売 東急不動産
東急不動産は、リアルとデジタルを融合し、1拠点で複数のマンションを販売できる「統合ギャラリー」を運用するなど、分譲マンションサプライチェーンのCO2排出量削減を推進している。統合ギャラリーを開設した2023年9月から2023年度末までに、約1000トンのCO2排出量を削減した。 - ファシリティマネジメント フォーラム2024:建築の省エネは削減余地が少ない“乾いた雑巾” 切り札は「エコチューニング」と「AI」
国の省エネ目標では、オフィスビルや商業施設などで、2030年度までに2013年度比で51%のCO2排出量を削減が求められている。建物の運用管理を担うファシリティマネジメント(FM)にとって、現状のままでは達成は容易ではないが、その切り札となるのが「後付け可能なエコチューニング」と「省エネAI」だという。 - BAS:東京駅前の三菱電機ビルソリューションズ新ショールームを視察 スマートビルの技術を一堂に
2022年に三菱電機のビルシステム事業と、三菱電機ビルテクノサービスが経営統合して、発足した「三菱電機ビルソリューションズ」。エレベーターやエスカレーターなどのビル設備を販売するだけでなく、施工や保守、改修までのライフサイクルをカバーするワンストップサービスを展開している。今般、東京駅の目の前に位置する本社ビルに、最新のビルソリューションを展示するショールームをオープンした。顧客とビジョンを共有しながら、サステナビリティやスマートビルなどにつながる共創を目指す、新ショールームを見学した。