都内最大級、延べ25万m2超の物流施設が板橋区に竣工 ドローン実験場も併設 三井不など:ロジスティクス
三井不動産と日鉄興和不動産が共同開発した都内最大級の街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」が、2024年9月30日に竣工した。
三井不動産は2024年9月30日、日鉄興和不動産と共同開発した都内最大級の街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」の竣工式を執り行った。敷地内には東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験施設を整備した。
MFLP・LOGIFRONT東京板橋は、地上6階建て、敷地面積約9万1000平方メートル、延べ床面積約25万平方メートル、ワンフロア約3万6000平方メートルと、都内最大規模の物流施設だ。梁(はり)下有効天井高は5.5メートル、床の積載荷重は1.5トン/平方メートルで、45フィートのコンテナ車両などの大型車両にも対応なトラックバースを備えた。東西に2つのダブルランプウェイがあり、高い配送効率が期待できる。
また、免震装置や72時間対応の非常用発電機、備蓄倉庫などによるBCP対策に加え、入退館管理や24時間常駐の防災センターを完備し、オフィスビル同等のセキュリティを確保した。屋上全面(約1万9000平方メートル)には約4MWの太陽光パネルを設置し、再エネを自家消費するとともに、余剰電力は板橋区内73の区立小中学校に供給する。その他、屋内照明のLED化による省エネなどの脱炭素施策を導入し、ZEB認証最高ランクと、DBJ Green Building認証最高位を取得した。
へリポート機能を備えた広場など災害拠点として整備
新施設にはイベントが開催できる広場や、季節ごとの植栽の彩りを楽しめる広場など約2万5000平方メートルの緑地エリアを整備した。生物多様性に配慮し、在来種を基本とした計573本の樹木と約50種類の植栽により豊かな緑地空間を創出する。また、河川氾濫など水害に強いまちづくりの一環として、国内初の官民連携による「高台まちづくり」が進められている。
緊急着陸用のヘリポートとして活用できる高台広場と、隣接する板橋区立舟渡水辺公園との一体的な整備を行った他、地域住民約1000人程度が収容可能な緊急一時退避場所、災害時に必要な飲料水や非常食などを保管する「板橋区災害時配送ステーション」を設置した。
2024年10月1日には、三井不動産と日鉄興和不動産、板橋区、ヤマト運輸との間で、4者災害協定書を締結。今後は防災訓練なども実施する予定だ。
都内最大初のドローン実験場を併設
新施設の敷地内には、東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験施設「板橋ドローンフィールド」を新設した。広大な敷地を生かし、ドローン飛行用のフィールドや実稼働施設を活用した実験場、ドローン事業者への賃貸用R&D区画、会員事業者の交流のためのコミュニティースペースなどを設けた。
今後は、スタートアップや大学などの教育機関、公的機関などと連携し、ドローンによる物流配送や点検、警備、災害時活用などに向けた研究開発や実証実験を行うとともに、ビジネス共創の会員制コミュニティーを提供する。施設の監修/運営は、日本UAS産業振興協議会とブルーイノベーションが担う。
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