若手営業担当者を「AI課長」が育成、大東建託が台本型ロールプレイングに導入:AI
大東建託は2024年10月中旬から、AIを活用して若手営業担当者の育成や営業活動を支援する独自システム「AI課長」の第1弾として、「AIロールプレイング(台本型)」を導入する。研修時のロールプレイングで管理職や先輩社員が担っていたオーナーの役割をAIに置き換え、時間や場所の制約を受けることなく個人のタイミングで学習できるようにする。
大東建託は2024年10月10日、AIを活用して若手営業担当者の育成や営業活動を支援する独自システム「AI課長」を開発したと発表した。第1弾として、研修時のロールプレイングで管理職や先輩社員が担っていたオーナーの役割をAIに置き換えた「AIロールプレイング(台本型)」を、10月中旬から導入する。今後、さまざまなシステム機能を順次導入し、営業効率化ツールとして活用範囲を広げて行く。
AI課長は、約2900人の営業担当者を対象とした教育/研修用ツールで、営業活動に必要な知識やスキルを効率的に習得する仕組みを構築した。営業担当者が時間や場所の制約を受けることなく個人のタイミングで学習できるようにすることで、効率的かつ自主的に学ぶ意識の養成を目指す。また、これまで先輩社員が指導や相談に応じていた時間や手間を軽減する効果も見込んでいる。
AIの個別フィードバックでスキルアップを支援
今回導入するAIロールプレイング(台本型)は、営業担当者がPCやタブレット端末を使用し、決まった台本に沿ってオーナー役と会話することで商談手法を学ぶ。研修後はAIが個別フィードバックを行い、営業職としてのスキルアップを後押しする。オーナー役のAIには、主要な方言での対応バージョンも用意した。2025年1月には台本のない臨機応変な対応力を身につける「応対型」を導入する計画だ。
2024年度内には、専門用語や法律/税金などの業務上必要な情報をAIから入手するチャットbot機能を提供する。さらに2025年1月には、顧客との会話で得た情報の音声データを可視化する機能を導入し、AIが顧客の関心度などを分析して提案内容を考案することで、成約の確率を引き上げる。将来は、営業活動の過去の成功事例をもとにAIが具体的な行動計画を提案する機能も搭載する計画だ。
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