大東建託が「電子施工管理システム」を外販、2025年から:施工管理
大東建託は、建築工事の受発注や施工体制台帳をデジタル化する自社開発の「電子施工管理システム」を、2025年4月から建設会社向けに外販する。基本機能である「電子受発注機能」とオプション機能の「施工体制台帳作成機能」の2つの機能により、中小建設業の業務効率化や施工体制の強化を支援する。
大東建託は2024年6月28日、建築工事の受発注や施工体制台帳をデジタル化する自社開発の「電子施工管理システム」を、2025年4月から中小建設会社向けに外販すると発表した。一般発売に先行して、2025年1月から協力会社向けに販売を開始する。
建設業界では「2024問題」への対応でデジタル化による業務効率化が急務となっているが、中小建設業者は人材不足やデジタル化に向けた初期投資の負担を重く感じているケースが少なくない。大東建託は、電子施工管理システムを導入しやすい価格で提供することで、中小建設業の業務効率化や施工体制の強化を支援する。
電子施工管理システムは、基本機能である「電子受発注機能」とオプション機能の「施工体制台帳作成機能」の2つの機能を持つ。電子受発注機能は、建築工事の受発注において、企業間で発生するプロセスをデジタル化し、効率化する。また、オプション機能の施工体制台帳作成機能は、下請け業者との契約内容を記録した「下請契約台帳」や、どのような体制で工事が進められるかを示した「施工体系図」の作成、保管プロセスをデジタル化する。
価格は、電子受発注機能で、初期費用2万円から。月額費用は、会員価格(大東建託の協力業者)で、1アカウントで最大10社とやりとりする場合(10IDまで)月額980円、50IDまでは月額1980円、100IDまでは月額3480円。
また、電子受発注機能に施工体制台帳作成機能を付加した場合、初期費用は20万円からで、月額費用は1アカウントで最大100社とやりとりする場合(100IDまで)は月額10万円で提供予定で、以降はID数に応じた従量課金制を予定している。
大東建託では、2001年4月の建設業法改正で電子契約の取り扱いが可能になったことを受け、2002年に今回販売するシステムの基礎となる「電子施工管理システム」を開発した。その後、システム上で施工体制台帳に必要な書類の作成、保管ができるよう継続的な機能改善を重ね、安価な価格での販売を実現した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 緑化:大東建託が首都圏で生物多様性に配慮した外構事業を開始 まずは賃貸住宅向けに
大東建託は1都3県の賃貸住宅を対象に、生物多様性に配慮した外構事業を開始した。在来種を確保する他、鳥や蝶が回遊する潤い豊かな空間づくりを進める。 - 産業動向:大東建託がIT/DX関連に300億円投資、2026年度までに 新中期経営計画発表
大東建託は2024〜2026年度を計画期間とする新たな中期経営計画を発表し、最終年度に売上2兆円、営業利益1400億円、ROE(自己資本利益率)20%を目指す。計画期間中には600億円の設備投資を行う予定で、そのうち300億円以上をIT/DX関連に投じる。 - 産業動向:災害時に約189万戸の賃貸住宅を無償貸与 競合する大和ハウスと大東建託が災害支援協定を結んだ意義
大和ハウス工業と大東建託の両グループ企業は、互いに保有している賃貸物件の情報を共有し、災害時に連携して支援にあたる協定を締結した。両社グループが管理する計約189万戸の賃貸住宅を生かし、被災した賃貸住宅のオーナーと入居者に無償で貸し出す他、備蓄品の提供、復旧用資材の配給など、さまざまな角度から支援していく。さらに平時でも、防災に関する講習会を全国各地で随時開催するなど手を携える。 - 2025年以降、全建物に省エネ基準適合が義務化:大東建託の“LCMM”プロジェクトが国交省認定 「CO2削減量ゼロ以下」にする賃貸住宅を全国へ
大東建託は、住宅のライフサイクルでCO2削減量をゼロ以下にするLCMM(ライフサイクル・カーボンマイナス)の考えを取り入れた賃貸住宅「ニューライズLCMM」の全国展開に注視している。また、環境性能を向上させた新たな賃貸住宅の開発にも目を向け、太陽光発電や蓄電池、断熱材の強化、電気自動車といった住宅分野での脱炭素化を加速させている。 - 5G:5Gを賃貸物件の室内に取り込む、大東建託のDX推進室が実証実験を開始
大東建託のDX推進室は、5G電波を屋内に引き込み、室内での高速通信を可能にする実証実験を行う。今後は、大東建託で管理する賃貸建物の通信環境の整備を進めたい考えだ。 - ダイバーシティー:大東建託が女性施工管理職向けの職種転換制度を導入、2028年度に女性施工管理職の比率を5%に
大東建託は、女性施工管理職を対象に新たな職種転換制度を導入する。新制度では、産前産後休業/育児休業後の復職先を、工事課の事務職や設計課、積算課の3つから選択でき、長く働き続けられる職場環境を提供する。