大東建託がIT/DX関連に300億円投資、2026年度までに 新中期経営計画発表:産業動向
大東建託は2024〜2026年度を計画期間とする新たな中期経営計画を発表し、最終年度に売上2兆円、営業利益1400億円、ROE(自己資本利益率)20%を目指す。計画期間中には600億円の設備投資を行う予定で、そのうち300億円以上をIT/DX関連に投じる。
大東建託は2024年5月2日、2026年度までの3年間を対象とした新たな中期経営計画を発表し、最終年度に売上2兆円、営業利益1400億円、ROE(自己資本利益率)20%を目指すとした。計画期間中には600億円の設備投資を行う予定で、そのうち300億円以上をIT/DX関連に投じる。
新たな中期経営計画の重点施策には、(1)人的資本経営の推進、(2)強固なコア事業の確立、(3)新中期経営計画の注力分野(不動産開発事業の強化/拡大、まちづくり推進、海外事業の展開)への対応の3点を定めた。
人的資本経営の推進では、グループ従業員1万6000人を対象に、総数36万株(最大68億円)の譲渡制限株式を付与する。また、従業員の働きがいの観点で、全商品のZEH化やバイオマス発電事業による環境問題への対応など、事業を通じた社会課題解決に取り組む。さらに、女性活用や男性育児休業取得に加え、IT/デジタル活用、DXの推進によって、多様な人材が活躍できる働きやすい職場環境を整備する。
コア事業の強化については、建築費や金利、家賃が上昇局面にあることから、インフレに伴う価格改定を行い、賃貸事業の利回りと収益を確保する。建設技術者の不足に対しては、施工量の標準化に取り組むことで、建築コスト上昇を抑制しながら施工量の維持、拡大を図る。改修では、賃貸住宅管理戸数130万戸という豊富なストックを背景に、築年数の経過した物件の建て替えを提案し、自社内でのエコシステムを確立する。
また、新中期経営計画の注力分野として、不動産開発事業(ビルドセット事業/リノベ再販事業)に1000億円を投じ、コア事業の領域を拡大するとともに、売買/管理収益を獲得する。さらに、北米での買い取りリノベ再販事業を皮切りに海外事業に着手する他、「大東建託グループらしいまちづくり(DKミライサークル)」を実践し、まちの活性化につなげる。
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