大東建託が首都圏で生物多様性に配慮した外構事業を開始 まずは賃貸住宅向けに:緑化
大東建託は1都3県の賃貸住宅を対象に、生物多様性に配慮した外構事業を開始した。在来種を確保する他、鳥や蝶が回遊する潤い豊かな空間づくりを進める。
大東建託は2024年5月10日から、1都3県で植栽の50%以上に在来種を確保するなど生物多様性に配慮した賃貸住宅向けの外構事業を開始した。2024年10月以降は、戸建て住宅向けにも事業を展開していく。
新事業のコンセプトは「めぐる とまりぎ」。「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」の依存度/影響度指標カテゴリーごとにマテリアリティ(重要課題)項目を決定し、グリーン・ワイズとともに策定した。日本国内の生態系に配慮しながら、街の環境や生物、さらには次世代のために、緑をつなぎ、外構植栽から生物多様性保全を推進するための施策を展開していく。
具体的には、植栽数を毎年カウントしながら在来種の割合50%以上を維持する他、飛来する鳥や蝶種の推計、雨水対策、施工前の周辺地域の状況確認や施工後のモニタリング施策などの効果検証を行う。
事業開始にあたっては、地理院地図の年代別写真をもとに、千葉県柏市周辺エリアで手掛けた物件の1960年代と2019年の緑地割合を比較した。その結果、3割以上の緑地が減少していることや、緑地の減少により蝶の種数が75%減少(大東建託調べ)したことが明らかになった。これらの結果を受けて、同社は、生物多様性に寄与する外構事業を開始するに至った。
事業試行開始に先立ち実施された、賃貸住宅と戸建住宅の中古物件での外構リノベーションの検証では、「景観が非常に良くなった」「明るい空間になった」などの声が寄せられた。
大東建託は2023年3月、「TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)」の理念に賛同し、TNFDフォーラムに参画するなど、企業が自然に及ぼすリスクや機会を注視している。
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