熱中症ゼロの継続を目指す大東建託のIT活用 ウェアラブル端末や独自アプリを導入:安全衛生
大東建託は、施工現場での熱中症対策に取り組んでおり、2020年以降の熱中症重症化件数はゼロとなっている。主な対策としては、ライブカメラの設置をはじめ、現場の情報共有が可能な「匠アプリ」導入、熱中症指数計の全施工現場への配備など。
大東建託は2024年7月9日、施工現場で熱中症ゼロの継続を目指す労働環境の取り組みを発表した。
熱中症対策として、心拍などのデータ計測ができるウェアラブル端末や施工現場ライブカメラ、当社独自の施工管理アプリなどを活用し、施工現場で働く方々が安心して業務に従事できる労働環境を整備している。
気象情報を活用した予防管理で、建設作業員の健康と安全を守る
2023年は、世界的に観測史上最も暑い夏となり、2024年の平均気温も全国的に平年を上回ると予想されている。こうした猛暑が続くと増えるのが熱中症で、国土交通省が公表する「熱中症による業種別死傷者数」によると、屋外作業の多い建設業が最も発生件数の高い業種となっている。
そのため、大東建託では毎年、施工現場の熱中症予防対策を推進しており、施工現場での2020年以降の熱中症重症化件数はゼロとなっている。
具体的には、管理部門が選定した約730箇所の施工現場にてライブカメラを設置。現場に異変が生じた場合、現場管理者がリアルタイムで確認できるようにしている。
また、現場管理者や現場の全作業員向けに、同社独自の「匠アプリ」を2022年から導入。アプリでは、現場の情報共有が可能で、当日の作業項目ごとの危険予知情報を確認して共有できる。
全施工現場の複数の箇所には、熱中症指数計を設置。気温や湿度、日射、風量などから算出したWBGT(暑さ指数)をもとに熱中症リスクを計測。リスクが高まった際はアラームで通知し、声かけにより作業員に休憩や水分補給を促す。
体温上昇を少しでも和らげるため、2024年7月9日から、監理センターに従事する136人の社員に、ペルチェ式ベストを配布。ペルチェ式ベストは、バッテリー電源でペルチェ素子(6個)表面温度を20度程度冷却可能で、ファン付き作業着を重ね着することにより、冷却効果を高められる。
また、地元の設計・施工会社様で組織された大東建託協力会の会員には、熱中症対策品(ファン付き作業着、冷却機能付きベスト、水冷ベスト、ヘルスウォッチなど)を割引価格で購入できるプラットフォームを案内している。
施工現場で働く全社員には、環境省の「熱中症予防情報メール」の受信登録を義務付けている。メールで暑さ指数を確認し、熱中症予防につなげている。また、熱中症警戒アラートの発表状況を毎朝メールで全員に配信し、朝礼でも注意喚起している。
その他、製氷機や冷水器の設置、熱中症予防のポスター提示、体調不良者が発生した際に現場で応急処置できるように熱中症応急セットの準備などを実施している。
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