6割以上が工程管理をデジタル化済み、「図面/工程の共有」に最多のニーズ DX親方の独自調査:調査レポート(2/2 ページ)
DX親方は、建設業界の工程管理業務に関する調査レポートを公開した。調査結果によると、建設現場の工程管理業務でアプリ/システムを導入している企業は64.8%となり、「書類のペーパーレス化」に最も導入効果を実感していることが分かった。
「書類ペーパーレス化」が最多で6割超
設問3は、工程管理アプリ/システムの導入によって具体的にどのような効果があったかをヒアリング。
一番多かった回答は、「書類ペーパーレス化」で63.1%。次いで「タスク、期限管理による遅延の抑制」の46.6%、「工程全体の把握と課題の発見」の40.8%の順となった。
これまでの建設現場で工程管理業務は紙での管理が主流だったが、工程管理業務のデジタル化で、今まで大量に発生していた書類が不要となった点に効果を実感している回答者が多いことがうかがえる。
昨今は、現場業務を一気通貫でカバーする多機能型の工程管理システムも登場しているため、工程管理システム導入にあたり、どういった機能に強いニーズをあるのかを調べる目的で、各機能の重要度を1〜5点で点数付けしてもらっている。
最も高い平均点を獲得したのは、「図面/工程の共有」で4.31点。建設プロジェクトで正確な図面の共有と、工程管理がプロジェクトの成功に直結することを反映した回答となった。また、「工程表の作成/共有」も4.12点と高く、情報の更新や共有が煩雑で、リアルタイムの進捗把握が難しい紙の工程表に対し、デジタル化への強いニーズがあると考えられる。
全体的には、勤怠管理は3.48点だったものの、報告書作成やコスト管理といった機能も3.5点以上の評価を受け、工程管理の文脈では多機能型ツールへの需要も強い結果となっている。
<調査概要>
調査時期:2024年4月1〜10日
調査目的:建設業界における工程管理業務のデジタル化の実態を把握するため
調査手法:Webアンケート
有効回答者数:159人
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