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調査リポート

「2040年に建設技術者は4.7万人、技能工は87.4万人が不足」2040年の人材予測調査レポート(1/2 ページ)

ヒューマンリソシアは、2024年版の「建設技術者/技能工の2040年の人材予測」を調査した。レポートによると、労働生産性が現状維持となった場合、2040年に建設技術者は約4.7万人が不足し、建設技能工は87.4万人が不足と推計している。

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 建設業向けの人材紹介や人材派遣、海外人材派遣サービスを展開するヒューマンリソシアは2024年6月21日、建設技術者と建設技能工の人材市場動向について調査し、「建設技術者/技能工の2040年の人材予測(2024年版)」として発表した。

 人材不足が大きな課題の建設業では、高齢化が進み、将来の人材確保に危機感が高まっている。今回、ヒューマンリソシアは建設技術者と建設技能工について、内閣府の経済成長予測に応じた「ベースラインケース」(実質GDP成長率0.4〜0.8%)と「成長実現ケース」(実質GDPの成長率1.3〜1.9%)をもとに経済成長すると仮定し、将来の建設投資額を推計した2パターンで、2040年までの人材市場動向について推計した。

 本調査では、建築技術者や土木/測量技術者を建設技術者、建設/採掘従事者を建設技能工としている。

建設技術者の人材予測、2040年には最大で4.7万人が不足

 建設技術者の人材市場動向については、内閣府の経済成長予測のベースラインケースに基づき、推計したところ、徐々に人材需給ギャップは解消に向かい、2033年頃に人材供給は充足するとした(図表1)。

 成長実現ケースで、労働生産性が現状維持となった場合を試算した結果、2030年には人材不足数が4.1万人までやや縮小するものの、不足数は再度拡大し、2040年には4.7万人が不足することが分かった(図表2)。

 ベースラインケースでは10年後に人材が充足する試算となったが、その要因の1つには、昨今の建設業各社の新卒採用拡大による就業者数の押し上げが影響している。生産年齢人口の減少などにより、新卒採用競争は一層激化することが予測される他、「2024年問題」への対応が必要とされるなど、懸念材料は依然多く、人材不足解消にはDX推進による生産性向上が今以上に重要になると考察される。

図表1:ベースラインケース/労働生産性現状維持シナリオにおける建設技術者需給ギャップの試算
図表1:ベースラインケース/労働生産性現状維持シナリオにおける建設技術者需給ギャップの試算 出典:ヒューマンリソシアプレスリリース
図表2:成長実現ケース/労働生産性現状維持シナリオにおける建設技術者需給ギャップの試算
図表2:成長実現ケース/労働生産性現状維持シナリオにおける建設技術者需給ギャップの試算 出典:ヒューマンリソシアプレスリリース

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