東急建設、CO2排出量算定を自社ツールから一般公開ツール「J-CAT」に切り替え:脱炭素
東急建設は、建築工事で使用するCO2排出量算定ツールを、ゼロカーボンビル推進会議のもとで開発された建築物ホールライフカーボン算定ツール「J-CAT」に切り替える。まずは、2024年7月以降に受注する首都圏エリアの建築工事(新築)から導入する。
東急建設は2024年7月3日、新築工事におけるCO2排出量算定ツールを、ゼロカーボンビル(LCCO2ネットゼロ)推進会議のもとで開発された建築物ホールライフカーボン算定ツール「J-CAT」に切り替えると発表した。まずは、2024年7月以降に受注する首都圏エリアの建築工事(新築)から導入する。
東急建設は2022年度以降に受注した建築工事(新築)で、独自開発の自社ツールを使用し、CO2排出量を算定してきた。これまで約2年分のCO2排出に関するデータを蓄積しており、排出量の全体傾向や低減案の検討に一定の成果が得られたとしている。一方、独自ツールであることから、同業他社の算定データと比較、検討できないことが課題となっていた。
J-CATは、LCCO2ネットゼロ推進会議が2024年5月に公開した、建築物のライフサイクル全体を通じた温室効果ガスの排出量算定ツールだ。簡易算定法、標準算定法、詳細算定法の3つの算定法が提供されている。使用登録をすれば誰でも利用でき、CO2排出量算定データの比較が可能なため、今後、建築事業での活用が見込まれていることから、東急建設では今回、J-CATへの切り替えを決定した。
東急建設では、J-CATの簡易算定法を使用し、アップフロントカーボン(資材製造、施工)を対象にCO2排出量の算定を行う。これまでに取得したデータに加え、J-CATの情報を活用していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 屋上緑化:屋上緑化システムにリユース材活用、自然に土に還る飛散養生材に 東急建設など
東急建設と東急リニューアルは、従来廃棄されていたコーヒー豆の運搬などに使用される麻袋を活用した「リユース屋上緑化システム」を共同開発した。 - BIM:東急建設がベトナムのACSDとBIM活用で協業 施工BIMを見据えたフロントローディング実現
東急建設は、ベトナムのAureole Construction Software Developmentと、BIMによる建築生産システムの変革に向けて基本協定を締結した。今後は、施工での活用をあらかじめ見据えた設計段階でのBIM活用やBIM人材の交流なども図っていく。 - 製品動向:型枠に貼り付けてコンクリートの品質を向上、東急建設が湿潤/保水養生シート開発
東急建設は、現場で打設するコンクリート表面の緻密化による品質向上を目的に、透水型枠機能がある湿潤/保水養生シート「フィルターシートキュア」をフジモリ産業と共同開発した。一般販売は9月開始を予定している。 - 大手ゼネコンの建設DX戦略:建設業の経営者は何をDXのゴールとすべきか?変革の本質や苦労話をゼネコン4社が徹底討論
東急建設、鴻池組、大林組、西松建設の建設DXで陣頭指揮を執る4人の担当者が、MCデータプラス主催の「建設DXカンファレンス2024」で、「DXを推進した先で何を“成果=ゴール”と考えるか?」をテーマに、経営目線でDX戦略の方向性や現状の課題について熱論を交わした。 - 現場管理:ゼネコン21社が「AIカメラ」を活用した配筋検査サービスを先行導入
配筋検査システム協議会のゼネコン21社は、配筋を立体検知するAIカメラを活用し、配筋検査作業の時間を半減するサービスを先行導入した。 - 製品動向:段ボールから建物用セルロース系断熱材を製造、東急建設が米ベンチャーに出資
東急建設は、リサイクル段ボールを原料に建物用のセルロース系断熱材を製造/販売する米国のベンチャー企業CleanFiberに出資した。