東急建設がベトナムのACSDとBIM活用で協業 施工BIMを見据えたフロントローディング実現:BIM
東急建設は、ベトナムのAureole Construction Software Developmentと、BIMによる建築生産システムの変革に向けて基本協定を締結した。今後は、施工での活用をあらかじめ見据えた設計段階でのBIM活用やBIM人材の交流なども図っていく。
東急建設は、ベトナムホーチミン市に本社を置くAureole Construction Software Development(オレオ・コンストラクション・ソフトウェア・デベロップメント:ACSD)と、建築生産現場のデジタル化の推進から定着、その先の活用に向けた協業について、基本協定を締結したと2024年5月末に明らかにした。
ACSDは、三谷産業の100%子会社で、建築関連の設計図や施工図の製作、BIMモデリング、積算/見積作成などのサービスを提供している。2024年3月時点で700人以上のベトナム人エンジニアが在籍し、日本語対応や遠隔地でありながらスムーズなコミュニケーションができる強みで、日本国内の建築関連企業100社以上との取引実績を有する。
建築生産システムの変革に向け、BIMの協力体制も構築
東急建設は、BIMなどのデジタルデータを活用した建築生産システムの変革を目指しているが、社内での人的リソースや国内の業務委託先が限られているといった課題があり、生産システムの変革にはオープンイノベーションも必要だった。
そのため、ACSDとはこれまでも、「構造」「外装/一部内装」「外構」「設備」の設計情報をBIM化した“ファーストモデル”の建築施工現場への提供とともに、ソフトウェア開発を通じて協業してきた。
今回の協定では、施工での活用を念頭に、実施設計がまとまる段階から、施工計画や納まりを検討する「生産設計業務」を加え、BIMモデルを仮設計画や施工図の作成、自動加工などに活用し、生産現場での省力化につなげる。また、生産現場でのBIM活用の高度化、建築生産バリューチェーンでのデジタル活用に関する共同開発を進めていく。
人的交流でも、ACSDの技術者が東急建設で業務を行い、技術を習得するなどを積極的に行うことで相互の技術力向上となるように、持続的な協力体制も構築する。
こうした取り組みで、建築生産プロセスで作成したデジタルデータを活用し、バリューチェーンのみならず専門工事会社やメーカー、さらには顧客ともデータ起点で連携を模索することで、建築生産システムの変革を目標に見据える。
今回の協定に基づき、ACSD社内には「BIMエンジニアリングセンター」を新設した。センターは、BIM関連業務を専属体制で受注しているプロジェクトチームを従来の組織から独立させたプロフェッショナルかつ総合的なBIM技術を有する組織となる。
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