住宅事業の施工力確保へ、住友林業が協力施工店向け支援を強化:産業動向
住友林業は住宅事業の施工力確保を目的に、「住友林業の家」の施工パートナーを対象とした「施工パートナー推進センター」を開設した。施工パートナーから事業承継や人員確保、相続など経営全般に関する相談を受け付ける他、住友林業の建築現場で働きたい新規業者や職方に、協力施工店を紹介する役割も担う。
住友林業は2024年7月から、約2000社の「住友林業の家」の施工パートナー(協力施工店)を対象に、事業承継や人員確保、相続など経営全般に関する相談を受け付ける「施工パートナー推進センター」を稼働する。住宅事業の施工力確保を目的とした取り組みで、この他、協力施工店の人員確保を支援する取り組みとして、住友林業の建築現場で働きたい新規業者や職方を募集し、協力施工店に紹介する。
住友林業は2030年に、国内年間住宅供給戸数1万戸を目標に掲げている。一方で、建設業界では、技能者の高齢化や後継者不足を背景に、事業継続や担い手確保が課題となっている。これまでは主に、住友林業の各支店で協力施工店からの相談を受けていたが、今回、専門の窓口を設置して体制を拡充した。
施工パートナー推進センターへの相談や応募は、専用のWebサイトで受け付ける。課題解決に向けては、弁護士や税理士など社内外の専門家も交えて支援を行う。住宅施工現場の看板などにWebサイトの二次元バーコードを設置し、協力施工店に広く周知していく。
今後、施工協力店に住友林業での仕事を継続してもらうため、事業承継や相続に関するWebセミナーの実施などに加え、福利厚生の拡充にも取り組み、事業継続を支援する。協力施工店組織の住友林業安全協力施工店会とも連携し、協力施工店が安心して施工に集中できる環境を整備していく。
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