大東建託の“LCMM”プロジェクトが国交省認定 「CO2削減量ゼロ以下」にする賃貸住宅を全国へ:2025年以降、全建物に省エネ基準適合が義務化(1/2 ページ)
大東建託は、住宅のライフサイクルでCO2削減量をゼロ以下にするLCMM(ライフサイクル・カーボンマイナス)の考えを取り入れた賃貸住宅「ニューライズLCMM」の全国展開に注視している。また、環境性能を向上させた新たな賃貸住宅の開発にも目を向け、太陽光発電や蓄電池、断熱材の強化、電気自動車といった住宅分野での脱炭素化を加速させている。
近年は、地球温暖化が深刻化し、日本を含む世界各国で異常気象が報告されている。WMO(世界気象機関)の報告によれば、気象災害の発生件数は1970年から2019年までの50年間で5倍近く増加。そのため、あらゆる産業で、温室効果ガスを減少させる脱炭素化の施策が求められている。
住宅産業の分野では2025年以降には、住宅/非住宅の全建物に省エネ基準の適合が義務付けられ、建築確認手続きでも適合性審査が行われるなど、規制の強化が進んでいる。
こうした状況を受け、大東建託では住宅のライフサイクルの中でCO2削減量をゼロ以下にするLCMMの考えを取り入れた賃貸住宅「ニューライズLCMM」の全国展開や環境性能をさらに向上させた商品開発に取り組むなど、環境にやさしい住宅建築を目指している。
ライフサイクル全体でCO2を削減するLCMM住宅の考え方とは?
LCMM住宅とは、建設や運用、解体の各段階でのCO2排出量削減と合わせ、太陽光発電でエネルギーを創出することで、建物のライフサイクル全体でのCO2の収支をマイナスにする住宅を指す。
近年の住宅業界では、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」と呼ばれる省エネ設備や太陽光発電などを組み合わせてエネルギー削減を目指した住宅建築を普及させる取り組みが進んでいる。しかし、ZEHはあくまで建物が完成し、住民が暮らしている間のエネルギーに注目しているが、LCMM住宅はライフサイクルの工程全てを組み合わせてCO2削減量をマイナスにする点で大きく異なり、政府でも「住宅環境性能の最終目標」と位置付けている。
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