工程表の見直しで工種を関連付ける「依存関係」の機能をKANNAに追加 修正時間やミスを解消:現場管理
施工管理サービス「KANNA」の計画票作成や進捗管理が可能な工程表アプリに、工程同士を関連付ける「依存関係」の機能が加わった。工程の組み直しで、工種ごとにスケジュールを修正することで発生していた作業時間やミスが減り、工程管理業務の効率化が可能になる。
建設業、不動産業、製造業などのノンデスクワーク業界を対象に現場の生産性アップに取り組むアルダグラムは2024年6月11日、現場DXサービス「KANNA(カンナ)」の工程表機能に「依存関係」を設定できる機能を新たに追加したと発表した。
工程同士をつなげ、修正が同時に反映される依存関係を作成
建物の新築工事では、基礎工事や電気工事、水道工事などさまざまな工種が入り、各専門工事を担当している協力会社とのスケジュール調整が必要となる。
従来、工程表を使う場合は、紙での工程表管理が主で、Excelなどで作成し、紙に印刷し現場で配布するといった運用が多く、1つの工程の変更が発生すると、全工程を手作業で修正しなければならなかった。工程表の作成や修正の労力と時間は、現場の大きな負担で、更新情報を関係者へ共有するまでにも時間がかかり、工期の遅れにも影響していた。また紙ベースの運用のため、紛失や破損のリスクが高い点も課題だった。
こうした問題点に対し、アルダグラムはKANNAの工程表機能を開発し、今回、依存関係の機能を追加した。
依存関係の機能で、各工事の関係性を明確にし、工種ごとに施工の順序が一目で分かり、工事全体の進捗を把握できるようになるため、計画変更が生じても、スムーズに調整できる。これまでの工程の組み直しに伴う、膨大な修正時間や抜け漏れなどのミスも防げる。
工程表の依存関係でできることは、工程同士をつなげると、工種ごとの工事の順番が紐(ひも)付けられる。依存関係を持った工程同士は、1つの工程を動かすと、もう一方の工程も自動的に修正される。工程表は、Excel出力にも対応している。
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