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大和ハウスDX戦略の全体像2023年版 設計BIM100%で「導入期」から「活用期」へ「守りのDX」と「攻めのDX」(1/4 ページ)

大和ハウス工業は、2022年度から5カ年度の中期経営計画で、守りのDXで持続的成長モデルの構築を掲げている。その中核を成すBIMは、既に設計で全件BIM化を達成し、これまでの導入期から、共通データ環境に蓄積するBIMデータを建材データベースやxRなどで、いかに利活用するかの活用期へと移行している。

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 大和ハウス工業は2023年11月29日、「業界動向勉強会<建設DX 2023年篇>」を東京都千代田区飯田橋の東京本社で開催した。当日は、大和ハウス工業が描く、業界全体を巻き込む建設DXへと至る全体像を各担当者が語った。

「5カ年で守りのDX、その先に攻めのDX」河野副本部長

大和ハウス工業 上席執行役員 技術統括本部 副本部長 河野宏氏
大和ハウス工業 上席執行役員 技術統括本部 副本部長 河野宏氏 筆者撮影

 大和ハウス工業 上席執行役員 技術統括本部 副本部長 河野宏氏は、「2022年度からの5カ年計画となる“第7次中期経営計画”で、持続可能な成長モデル構築のために、“守りのDX(生産性向上と業務効率化)”“攻めのDX(収益力向上と新規事業創出)”の両立を掲げた。まず5カ年で守りのDXに取り組み、その次に攻めのDXへつなげていく」と大枠の方向性を示した。

 守りと攻めのDX基盤となる「デジタル建築」の構想では、BIMと次世代の工業化建築「デジタルコンストラクションPJ(プロジェクト)」をメビウスの輪のごとく、データ連環(ループ)させ、設計〜製造〜施工〜維持管理〜修繕補修の建設生産プロセスで変革を目指す。プロセス間でのデータ連携(情報マネジメント)の中核となるのが、BIMの国際規格「ISO 19650」でも必須とされている「共通データ環境(CDE)」だ。CDEに設計・施工のBIMデータなどを貯めてさらに活用していくことで、ICT施工やRT(ロボティクス)施工、JIT(ジャストインタイム)製造などといったデジタルコンストラクションが実現する。

大和ハウス工業の「守りのDX」と「攻めのDX」
大和ハウス工業の「守りのDX」と「攻めのDX」 提供:大和ハウス工業
大和ハウス工業の建設プロセスにおけるデジタル戦略のメビウスループ
大和ハウス工業の建設プロセスにおけるデジタル戦略のメビウスループ 提供:大和ハウス工業

 河野氏は建設DXの課題として、「各社バラバラのソリューションやアプリケーションを使って、個社に偏ったDX戦略を進めているのが現状だ」とし、「当社の建設DXは2019年からスタートしたが、芳井社長からは業界全体を変えるDXにして欲しいと託されている。建設業界が変われば、技能者や技術者の減少や生産性向上の解決だけでなく、将来多発する自然災害の復旧/復興の力にもなるはず」と意義を強調する。

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