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元鉄筋職人のCEOが語る「人とロボットが協働する未来の現場」 鉄筋結束ロボット「トモロボ」の誕生秘話第8回 JAPAN BUILD TOKYO(3/3 ページ)

労働力不足が叫ばれる建設業界では、作業効率化に向けた取り組みが進んでいるが、その中でも人に代わって現場作業を行う、いわゆる“建設ロボット”は効果が発揮されやすい。建設作業では、作業の姿勢や強度で人にとっては過酷なものが多い。それをロボットが代替すれば、その分の人手が他の作業や工程にまわせることになる。

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職人主体でロボット導入の面倒を排除

 鉄筋結束ロボットの導入を決定するのは、これまで腕一本で生きてきたベテラン職人だ。彼らは、現場にロボットが入ることで新たに生じる面倒事を嫌う。そこで、建ロボテックは職人の声に耳を傾け、“使えない理由”や“面倒と思われる理由”を排除していった。

職人が“使えない”“面倒”と思う理由を排除
職人が“使えない”“面倒”と思う理由を排除

 一例として、トモロボが1列の結束作業を終えた後に必要となる横移動のために、専用のロボット「オペロボ」を開発し、職人が機体を横に動かす手間がなくなった。また、結束ロボットと横に移動するロボットを分けたことで、人が入ってはいけないスペースも縮小した。ロボット自体も重さが減り、搬入も人力で可能になる。

結束ロボット(トモロボ)と横移動ロボット(オペロボ)を用意。別にすることで効率の良い運用が可能になった
結束ロボット(トモロボ)と横移動ロボット(オペロボ)を用意。別にすることで効率の良い運用が可能になった

 他にも、人が働くスペースにトモロボが入らないようにする設定も手軽に行える。眞部氏は、こうした機能を持つトモロボで「作業の工程を変えたい」と力強く話す。鉄筋工事の出来高は、結束数ではなく重さのため、出来高を上げるには、配筋量を増やす必要がある。

 眞部氏は、「人は配筋に集中してもらう。人手不足で減っていく職人さんたちに付加価値の高い仕事に集中していただくことが重要だ」と強調する。人材不足や海外との賃金格差を乗り越えるには、人材の有効活用と生産性向上が必須であることを訴えた。

建ロボが目指す人とロボットの協働モデル。限られた人材を高付加価値の作業に集中することで効率が上がり、無理のない週休2日制が実現し、業界のイメージアップにもつながる
建ロボが目指す人とロボットの協働モデル。限られた人材を高付加価値の作業に集中することで効率が上がり、無理のない週休2日制が実現し、業界のイメージアップにもつながる
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